メガネのようにかけられるマスクが登場

メガネの一大産地、福井県鯖江市のメガネの部品メーカー・ササマタは、メガネのように耳にかけられるマスク「ZiBi(ジビ)」を開発し、5月10日から自社のECサイトで販売を始めた。

メガネの部品メーカーだからこそできる、“かけ心地”を重視した設計で作られている、「“耳鼻(じび)”=耳と鼻」でメガネのように装着するマスクだ。

メガネのようにかけられるマスク「ZiBi」(提供:ササマタ)
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「ZiBi」の特徴は大きく3つある。

1つめは、かけ心地を追求してきたメガネの部品メーカーとして、メガネへ干渉しないよう、耳にかけるパーツ(つるに当たる部分)の幅や角度にこだわって設計したこと。これによって、メガネをかけている人の着用も可能ということだ。

耳にかけるパーツ(提供:ササマタ)

2つめは、より多くの人にフィットするよう、マスクの左右、各3カ所にパーツを通すホールを設け、幅調整ができる構造にしたこと。

3つめは、従来のゴムや紐がないこと。これによって、耳の後ろへの摩擦や張力を大幅に軽減した。

耳の下側にゴムや紐がないので、マスク着脱時のイヤーカフやイヤリングの外れ、そして、外れに伴う紛失などを減少することができ、また下がるタイプのピアス・イヤリングを邪魔しないことから、マスク着用時でも耳元のおしゃれをより楽しむことができる。

「ZiBi」3つの特徴(提供:ササマタ)

サイズはMとLの2種類あり、色は白・黒・ベージュの3色。基本セットは、ナイロン樹脂製のパーツとマスク生地2枚で価格は3500円(税込)。

さらに、ナイロン樹脂製のパーツのみで1700円(同)、チタン製のパーツが6000円(同)、替えのマスク生地(1枚)が1200円(同)で販売している(5月21日現在で一部、売り切れが出ている)。

「ZiBi」(提供:ササマタ)

普段メガネをかけている記者が「ZiBi」を着けてみた

記者は普段、メガネをかけているのだが、メガネに「ZiBi」を重ねて付けると、メガネのつると「ZiBi」の耳にかけるパーツ(つる)が、接触して干渉し合い、ストレスを感じるのではと想像していた。

ところが、実際にナイロン樹脂製のパーツの「ZiBi」を着けてみたところ、たしかにメガネのつると「ZiBi」の耳にかけるパーツが干渉し合うこともなく、ストレスも感じなかったのだ。パーツは軽く耳への圧迫感もないため、長時間着けていても、問題がなさそうだ。

ではなぜ、メガネのつると「ZiBi」のつるは干渉しないのか? つる同士が干渉しない詳しい仕組みを、ササマタの担当者に聞いた。

「ZiBi」(撮影:記者)

マスクの耳掛け部分にメガネで培ってきた技術

――開発のきっかけは?

昨年、新型コロナウイルスの第1波の影響による、大幅受注減でメガネ産業は打撃を受けました。一方、社会ではマスク着用が当たり前になりました。

そこで、マスク着用による耳の後ろの痛み、会話でのマスクのずり下がり、マスク着脱の際のイヤリング外れ(紛失)など、「紐を耳にかけるのだから仕方がない」と諦めている悩みを少しでも解消できる商品を作れないかと考え、「メガネのようにかける耳に優しいマスク」をコンセプトにマスクの開発に取り組みました。


――メガネのまち「鯖江」の技術はどこに活かされている?

国内メガネ生産量の約90%を “めがねのまちさばえ” で作っております。

その中で、私どもは部品メーカーとして数十年にわたって、培ってきた技術を耳掛け部分に取り入れて、痛みや違和感の少ない、かけ心地の良い形状を作り、肌に触れる部分の樹脂・金属には皮膚に優しい素材を選択しております。

メガネと併用しても、つる同士が干渉しない仕組み

――とくにこだわったところは?

かけやすく、また、かけていて痛くならない形状を作るために、社内でのモニター試験を繰り返し行ない、成形する金型を何度も作り直して、現在の形状に至りました。

従来のゴム・紐タイプのマスクとの大きな違いとして、耳に向かって引っ張られるテンションが構造上、フリーになっているので圧迫感を緩和し、息がこもりにくく呼吸をしやすい設計にしました。

また、マスク生地を立体縫製にし、3段階で巾調整ができるボタンホールを設けることで、顔に添う心地よいフィット感と息苦しくないポジションを確保し、より多くの方にご使用いただけるものを目指しております。

――メガネのつると「ZiBi」のつるが干渉しないのはなぜ?

つる(テンプル)の構造を、耳の頂点と接する部分の寸法を極めて細く仕上げているので、メガネと併用しやすくしています。

メガネをかけてもフィットする形状(提供:ササマタ)

――耳にかけるパーツは「ナイロン樹脂製」と「チタン製」の2種類。どのように使い分ければいいの?

「ナイロン樹脂製」は、一日中着用していても、重さを感じさせません。また、衝撃に強く、柔軟性を持つ樹脂が優しくマスク生地を支えます。

「チタン製」は、今日までには存在しなかった金属(チタン)とマスク生地のドッキングによって、マスクが日常生活の中に人と違う高級感を与え、マスクをかけるストレスを楽しみに変えてくれます。

マスクとつる、それぞれのお手入れ方法

――実際に使った方の感想は?

「これまでで一番気に入ったマスクです」といった声が届いています。


――5月10日から一般販売しているが、どのぐらい売れている?

ご好評いただきまして、おかげさまで初回分のチタン製は売り切れてしまいました。追加生産をして、6月10日頃に再販する予定です。


――マスクは洗って繰り返し使える?

洗濯機を使用する場合は、洗濯ネットに入れて下さい。取り扱い方によりますが、目安としては40回程度とお答えしております。

消耗品ですので、洗い回数を重ねるごとに少し生地が柔らかくなることがあります。長持ちさせる洗い方としては、手もみ洗いを推奨しております。

強くゴシゴシ洗うのではなく、生地に洗剤と水をしみこませ数回、柔らかく握って泡立てて、水で流してください。


――耳にかけるパーツ(つる)はどのように手入れをすればよい?

ナイロン樹脂製、チタン製ともに、水や食器洗剤などで洗えます。研磨剤入りは避けて下さい。また、メガネ拭きのような柔らかい布で拭いていただくのも良いかと思います。

 

メガネで培ってきた技術をいかした鯖江発の「ZiBi」。マスク着用による耳の後ろの痛みに悩んでいる人のほか、普段からメガネやイヤリングをしている人は試してみてはいかがだろうか。
 

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