猛威を振るう第4波 父親を失った男性が語る脅威

新型コロナウイルスの第4波で父親を亡くした男性が、インタビューに答え、その胸の内を明かしてれた。

実の父親の死、家庭内感染を経験した男性が私たちに訴えたいこととは…。

ーーなぜインタビュー受けようと?

新型コロナに感染した40代の男性:
私自身も身も心もボロボロになって、本当は休養したいなというのはあるけど、それよりもやっぱり危機感

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宮崎県内でも猛威を振るう新型コロナウイルス。
大型連休中、多くの観光客が押し寄せる中、男性と家族はウイルスの脅威にさらされていた。

家庭内感染、そして父親の死。
第4波でいま、何が起きているのか。

家庭内感染の恐ろしさ…家族8人のうち6人が感染

宮崎市内に住む40代の男性は、第4波で新型コロナウイルスに感染した。
男性は妻と子ども4人、そして妻の両親2人の8人で暮らしている。

日常の生活を送る中で、新型コロナウイルスは突如、家庭内に忍び込んだ。

新型コロナに感染した40代の男性:
子どもが通っている学校で、コロナの陽性者が出た。気づいた時には遅かったという感じですよね。家庭内で起こる感染というのは予防のしようがない

一緒に暮らす家族8人のうち6人が感染。
幸せな一家を家庭内感染が襲った。

新型コロナに感染した40代の男性:
おそらく変異ウイルスにかかっていたと思う。病院では具体的なことは言われなかったけど、医師から変異だから何が起こるかわからないという話を聞いたので、私は変異ウイルス(疑い)だったのだろう

男性は当初37.2度ほどの微熱だったが、2、3日で体調に急激な変化が起こった。

新型コロナに感染した40代の男性:
一番症状を感じたのはめまい。横になってて起きると目がグルグル回っているな、なんかちょっとおかしいなというのと、味覚がどんどん薄れてきて、何食べても味がしなくなるような感じがあって。入院した時には重症ではないけど、かなりきつさがあって、正直このまま死ぬのではと思った

そして、別に暮らしていた男性の両親への感染もわかった。
わずかな接触だった。

新型コロナに感染した40代の男性:
家族でも話をしたんですけど、かかった人が悪いのではなくて、コロナが悪いんだというようなニュアンスで話はしました

家族は離れ離れに 男性を支えたのは家族からのメッセージ

家族の症状はそれぞれ異なった。

基礎疾患のあった男性と男性の父親、そして妻の父親は感染症指定医療機関へ。
過去、心臓の手術を受けた男性の母親は、別の医療機関へ。

無症状の家族は宿泊療養施設。
感染していなかった子ども2人は、濃厚接触者で自宅待機。

家族は離れ離れになった。

異なる症状 家族は各医療機関や自宅待機に
異なる症状 家族は各医療機関や自宅待機に

新型コロナに感染した40代の男性:
私のことよりも、まずは子どものことが心配だった。かかっていない子ども、かかっている子ども、まずは元気になってほしいという思い。夜暗くなって病院の電気を消して寝ようと(した時)、ベッドの上で家族のこと、仕事のこと、いろんなことが走馬灯のように頭の中入ってきて寝れない

苦悩を語る男性
苦悩を語る男性

心身ともに追い詰められていた男性の救いとなったのは、家族とのメッセージのやり取りだった。

長男:
体調どんげっすか

男性:
だいぶ元気になってきたよ。食欲があんまり無いかな

妻:
おはよ、私は熱も下がって、ご飯もだいぶ食べられるようになったよ

長女:
みんなが戻ってきたら家の外でバーベキュー食べたい!!

男性:
そやな。みんなで焼き肉、いい肉で

家族とのLINEのやりとり
家族とのLINEのやりとり

父親の容態が悪化…帰らぬ人に

家族が闘病していたのは大型連休中。
移動の自粛が呼びかけられる中、県内の観光地には大勢の人が押し寄せていた。

宮崎県は、4月から5月にかけて、宮崎市を中心に感染が爆発。
新規感染者は急激な増加を見せていた。

新型コロナに感染した40代の男性:
病院は逼迫(ひっぱく)どころの沙汰ではない。もう本当大変だと思う。皆さんの想像以上に看護師さんたちも一生懸命やってますし、このままいけば、道路に患者さんが寝そべっている状況がでてくるのではと思う

4月26日に入院した男性は、実の父親と同じ部屋で治療を受けることになった。

新型コロナに感染した40代の男性:
2人で入らせてもらってですね、父といろいろ会話をしたり、日に日に悪くなっていく姿を見ると、家族としてはやっぱり一番つらかったですね

入院から10日余り。急激に悪化する父親の容態。
医師から提案されたのは、人工呼吸器をつけることだった。

新型コロナに感染した40代の男性:
「つけると話もできなくなりますよ」ということだったけど、苦渋の決断というか、苦しがってたので、少しでも楽させてあげようと

長女:
じいちゃんがんばれ

妻:
じいちゃんがんばれ

長男:
じいちゃん元気になるよ。四つ葉みつけた

エールを送る家族
エールを送る家族

家族の思いは届かなかった。

一緒に治療を受けていた男性はすでに退院していたため、家族の誰も最後を看取ることはできなかった。

父親と長年連れ添った母親。
最後の会話は、人工呼吸器をつける直前にかけた1本の電話だった。

新型コロナに感染した40代の男性:
意識がなくなる前に母親に電話をして、一言、親父とおふくろと話をしたので、それは良かったのかなと。最後に会えるのが葬儀場だけだったので、顔を見ようと家族を連れていったんですけど、棺桶に入っていて、顔が見えるかなと思ったけど、しっかり密封をされていて、誰がわからない状況。親父に別れを言いたかったんですけど、顔も見れなくて

新型コロナウイルスは、男性と家族のいつもの日常を突如奪った。

男性が県民に伝えたいこととは…

家庭内での感染、そして父親の死。
男性には県民1人1人に伝えたいメッセージがある。

新型コロナに感染した40代の男性:
本当にまもらないといけない命がどんどん削られていると思う。私からすれば、宮崎市長や県知事が「出ないでください」と優しく言われていますけど、私の気持ちからすれば、「みんなを鍵してでも出るな」と言いたいですよね

新型コロナに感染した40代の男性:
みんな危機感を持ってもらって、大事な人を亡くして初めて気づいても遅いということを、日本中、世界中の人に伝えていかないといけない

(テレビ宮崎)