店内からの桜の景色が自慢…飛騨牛が美味しい並木道の目の前の焼肉店
岐阜県の桜の名所・各務原市の新境川堤の桜並木は、植樹した地元の歌舞伎役者の名前にちなみ、「百十郎桜」と呼ばれている。
その並木道の目の前に2年前にオープンした焼肉店がある。
通常は夜の営業のみだが、2020年から桜の時期は昼のテイクアウトを実施。飛騨牛の握りや牛串など、普段店で提供していない特別メニューで花見客を呼び込んでいる。
岐阜・各務原市にある百十郎桜。その並木道の目の前に「やきにく 喜咲」はある。店主は田中雅人さん（34）。
店の名物は「おまかせ盛り合わせ」（4300円）。1枚1枚をじっくり楽しんで欲しいという思いから、重箱で提供する。ハラミや、ヒレ肉でも最高級といわれるシャトーブリアンなどを備長炭で。最もおいしく食べられるように、部位によって切り方を変えているのもこだわりの一つだ。
そして春はもう一つの名物が。店内から見える見事な桜並木だ。桜を楽しんでもらいたいと、店頭には他の花をあえて置いていない。
そんな飛騨牛と桜の風景が自慢の店を、新型コロナが襲った。
コロナ禍でも集客を…桜の時期限定「飛騨牛サーロイン握り」をテイクアウトで
2020年は、開店して初めての春を迎えたが…
田中さん:
イメージではお客さんが並んでくれたり。楽しみにしていたんですけど。コロナになり静かになって…
普段は、夜だけの営業だが、2020年は桜の時期に限り店頭にテントをはり、昼のテイクアウトを実施した。
しかし、車で花見をする人はいても、散歩をしている人自体が少なく…。
それから1年、再び訪れた2021年の春も強い思いでテイクアウトを実施。
リベンジとばかりに田中さんが用意した特別メニューが、「飛騨牛サーロイン握り」（1貫600円・2貫1000円）。薄く切った5等級の霜降りの飛騨牛で酢飯を包み、表面には特製のタレを。仕上げにバーナーで炙った極上の逸品だ。
メニューに載らない桜の時期だけの限定メニューは、食べ歩きしてもゴミが出ないように、せんべいの上に乗せて提供。
また、焼き肉で提供する時に出る余った牛ホルモンを、3時間じっくり煮込んだ「牛ホルモンどて煮」（500円）は、ホルモンには切込みを入れ、子供やお年寄りでも食べやすいように一手間かけてある。
音と匂いでそそられる、「飛騨牛カルビ串」（1本600円）も用意した。田中さんは、七輪で焼かれるカルビ串の様子を動画撮影し、インスタでライブ配信。集客のために様々な知恵を絞った。
思わず店主から笑顔…テイクアウトは幸先良いスタートに
3月に取材した日は、あいにくの雨だったが、販売を始めるとすぐに客がやってきた。この男性は、2020年も購入してくれたリピーターだった。
男性客:
とにかく肉は柔らかいし、食べた瞬間にジュワ～っと味が広がる
続いて二人組の若い女性も…。飛騨牛の握りを買うと、桜を入れて撮影会だ。さらに、牛串を食べるのが初めてという近所に住む男性もやってきた。
大盛況とまではいかないが、2020年よりは幸先の良いスタートが切れた。田中さん、ほっとして思わず笑顔がこぼた。
岐阜・各務原市の新境川と赤い橋にかかるように咲く「百十朗桜」
その田中さんに、百十郎桜でお気に入りのビュースポットへ案内してもらった。
田中さん:
ここが一番おすすめ。川と桜と。穏やかな気分になりますね
穏やかな流れの新境川と赤い橋、それにかかるように咲く百十郎桜。
2020年、厳しい状況でおしつぶされそうになった時も、この眺めを見て田中さんは、心を落ち着かせたという。
「厳しい中、助けてくれた近所の人に感謝したい。そして早くにぎわった町が見たい」と田中さんは、1日も早いコロナの収束を願った。
（東海テレビ）
