まるで「鈍器」な本たちがベストセラー

都内の書店に平積みされたこちらの本。
その名も『独学大全』は、自主学習をするときにやる気が出ない、読むのが遅いといった自分の弱点を乗り越えるための方法を指南してくれる内容となっている。

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例えば「集中力が続かない」という人には、25分の作業と5分の休憩を4回繰り返した後、30分休憩する学習法「ポモドーロ・テクニック」を紹介。この学習法は作業を短時間にし、それを繰り返すことで集中力が維持できるという。

この『独学大全』はいわば独学に挑むための百科事典だが、驚くべきはその厚さ。

『独学大全』は厚さ5センチ以上と、ビジネス書として一般的な240ページの本と並べてみると、実に3倍以上の分厚さ。
値段は3080円と決して安くはないが、10万部でベストセラーと言われるビジネス書で、17万部を超える大ヒットを記録しているのだ。

丸善 丸の内本店・村山美尾さん:
このように厚みがあって重厚感がある本は「鈍器本」と呼ばれ、非常に人気になっています

世界の主要経営理論30を解説した『世界基準の経営理論』は、発行部数8万5千部を突破。

世界中のビジネスリーダーが読んでいる名著200冊を解説した『読書大全』は、発売から1カ月ですでに2万部を突破するなど、本離れが進む中、「鈍器本」はブームになっているのだ。

そのブームの理由について、「鈍器本」を手がける編集者は、コロナで増えたおうち時間を“学びの時間”として活用する人が増えたことが大きいという。

ダイヤモンド社 書籍編集局第二編集部・田中怜子さん:
コロナで時間ができたということと、先行きが不透明で不安になる方が増えたというところで、信頼性のある本を手にとって学ぼうという意識が増えたということはあると思います

また、最近では購買層にも変化があるという。

丸善 丸の内本店・村山美尾さん:
一番多いのが40代の男性なんですけれども、やはりおうち時間が増えたことで、女性の方も手に取られているのを見るようになりました

女性におすすめの「鈍器本」は…

そんな丸善 丸の内本店が厳選する、女性におすすめの「鈍器本」は…

まずは、風光明媚な日本全国の風景を解説した『今、行きたい!日本の絶景大事典1000』

丸善 丸の内本店・村山美尾さん:
コロナ禍で旅行に行けない昨今、こちらの書籍や風景だけではなく、文化や食べ物などの解説も載っている書籍となっておりますので、おうち時間に旅行気分を味わっていただけたらと思います

続いては『365日にっぽんのいろ図鑑』
四季の移ろいの中に美の心を生み出した日本の伝統色の名前と由来を、写真とともに楽しめる一冊だ。

丸善 丸の内本店・村山美尾さん:
一日一色、日本の伝統色を紹介した本で、日本語の美しい言葉に感銘できる一冊です

加藤綾子キャスター:
『今、行きたい!日本の絶景大事典1000』ということで、ほら!

石本沙織キャスター:
こういう本だったら、手に取りやすいかもしれないですね

明治大学・齋藤孝教授:
『独学大全』、すごいですね。本当に鈍器!

石本沙織キャスター:
どこから読み始めればいいか、迷っちゃいますけれどね

明治大学・齋藤孝教授:
飛び飛びがいいと思います。最初から読んでいこうとすると気が重くなっちゃうので、目次を見て良さそうなところがあったら付箋を貼って

(「イット!」5月14日放送分より)