政府は東京・大阪・京都・兵庫の4都府県に5月11日まで発令している緊急事態宣言について、5月末まで延長する方針を固めた。また新たに愛知県と福岡県にも5月末まで緊急事態宣言を発令する方針を固めた。

小池都知事「緩めるという状況にはない」

では延長された場合、短期集中で講じてきた休業要請など、強い措置の扱いはどうなるのか。政府関係者はデパートなどへの措置について、「午後8時までの時短営業」や「平日または土日に限って営業を認める」などの案を検討しているとしている。

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小池知事の考えはこうだ。

東京都 小池百合子知事:
都として、先ほどから様々分析をしているところですけれども、なかなか緩めるという状況にはないという認識であります
 

その一方で飲食店での酒の提供について、政府関係者は「延長しても引き続き停止を求める」としていて、“禁酒令”は続く可能性が高くなっている。そうなると、酒を中心に扱う店のさらなる打撃は避けられない。

「終わってほしかった」飲食店からは本音も

東京・新宿区にあるこちらのお店。普段なら10種類以上ものビールを楽しむことができるが、現在はこれらすべてのビールの提供をやめている。出せないビール樽が山積みとなっている店の名前はずばり、「よなよなビアワークス 新宿東口店」だ。

よなよなビアワークス 新宿東口店 遠藤幸雄支配人:
僕らはやっぱり、よなよなビアワークスというお店なので。お店の一番の武器を奪われている

このお店では、営業時間が通常午後11時までのところ、午後8時までの時短営業に。さらにビールNGのダブルパンチ。売り上げは例年の2割まで落ち込んだという。短期決戦だったはずの宣言延長に、こんな本音を漏らす。

よなよなビアワークス 新宿東口店 遠藤幸雄支配人:
正直なところ、11日でやはり終わってほしかったというのが本音ですね。今だとお酒がイコール悪みたいな感じに捉えられちゃっているっていうのは、すごくどうなのかなと思いますね

どこを目標とした宣言延長なのか

加藤綾子キャスター:
宣言は延長だけれども休業要請は緩和となると、百貨店とか商業施設に対するここ2週間の休業要請というのは、どんな意味があったのか。ちょっとそこが分からなくなってくるなと私は思ったのですが、柳澤さんいかがですか

ジャーナリスト 柳澤秀夫氏:
緊急事態宣言で何を目指すのかですよね。新規陽性者の数を何人に抑えるのは、検査数によって左右する、変化するのであれば、1週間あたりの新規陽性者を比較して、何人を目指す。例えば100人なのか200人なのか。そこを明確にしないと、何をわれわれは目指してその延長に向き合えばいいのか、そこが分からなくなると思うんですよ。延長幅とか措置の内容よりも、われわれが目指す明確な目標を示してほしい。それがないとやっぱり効果は限定的だと思う

加藤綾子キャスター:
それが伝わらないと人出というのは。現在の渋谷の様子をご覧いただいていますけれども

ジャーナリスト 柳澤秀夫氏:
きっと皆さん、何を目指して宣言が続くのかわからないと思いますよ

加藤綾子キャスター:
そうですよね。ずるずるとこの状況がもう本当に続くことがないように、先を見据えた対策を取ってもらいたいなと思いますね

(「イット!」5月6日放送より)