リーズナブルでおいしい「プライベートブランド商品」。種類も多様化し、その市場も拡大している。
県内中心に展開する「ファディ」でも開発の動き活発に
スーパーやコンビニ、ドラッグストアなどで目にする機会が多い、プライベートブランド商品。
その多くが低価格の理由は、自社開発の商品を直接メーカーに作ってもらい、コストを省いているから。
メーカーは生産したものを全て買い取ってもらえるため、双方にメリットがある。
福岡県内を中心に、20店舗を展開する「ファディ」でも…
中村秋季乃リポーター：
この棚のソースやコーヒー、そしてこちらの冷凍食品も全部「ファディ」のマークが付いています。こんなに種類があるんですね
現在、販売されているプライベートブランド商品は約160点で、酢豚セットやコーンクリームスープなど人気商品も。
「ファディ小戸店」では、価格の面より思い通りの味やメニューを開発できることを理由に積極的に展開している。
プライベートブランド商品開発の舞台裏へ
これらの商品はどうやって生み出されているのだろうか？
開発の舞台裏に特別にカメラが入った。
中村秋季乃リポーター：
北九州市のファディ本社にお邪魔しています。こちらの会議室で、現在、試食会が行われているということで潜入します
商品開発の責任者・實藤大輔さん。この日は、8品の商品化を目指し、プレゼンテーションに臨む。
大きさが自慢のとり天では…
極東ファディ商品部・實藤大輔部長：
いまヘルシー志向ということで、胸肉の唐揚げの需要が伸びていて、今回、この大きさですけど、すごくしっとり
審査メンバーの中には社長の姿も。試食会でどんな言葉が飛び出すのか…
極東ファディ・秋本修治社長：
大きすぎるよね
男性社員：
1個で十分かな。個人的には、もう少し小さめでもいいかなと思う。なんか、見た目も大きいからね
極東ファディ商品部・實藤大輔部長：
インパクトは…
極東ファディ・秋本修治社長：
唐揚げでこんなにでかいのはないよ。この前のと、これとの中間くらい…
過去の試食会では小さいと指摘された商品。今度は逆に大きすぎるとの意見が。
このほか、簡単に調理できるか、コストに見合っているかなども重要なポイントとなる。
審査で残ったのは、8品のうち2品。そのうちの1つが「国産いかとブロッコリーのオイスター炒めセット」だった。
極東ファディ・秋本修治社長：
ブラックペッパーが効いとるよね
極東ファディ商品部・實藤大輔部長：
それを味のアクセントに。今回、国産のムラサキイカを使っていて大きいんですけど、すごく柔らかい
女性社員：
子どもだったら、このイカは大きすぎて食べにくそうなので、大人向けだったらいいかなと
極東ファディ・秋本修治社長：
“大人の”って付けた方が良いかも
味のインパクトにと加えたブラックペッパーが好評で、見事、商品化が決定した。
極東ファディ商品部・實藤大輔部長：
たれの味付けだったり、イカの大きさとか、そういったところを何回か試作を重ねて、きょうで4回目くらいでしょうかね。（試作を）何回も何回もして、最終的に発売しなかった商品もあるので、長いものは1年とか1年半とかかかるものもあります
「会話が弾むような商品を…」2021年度に60アイテム販売を目指す
コロナ禍で、自宅で食事をする機会が増える中、この会社では、2021年度、60アイテムを販売することを目標にしている。
こうした中で、大切にしていることとは…
極東ファディ・秋本修治社長：
子どもが「お母ちゃんこれどうしたん？おいしいね」て言ってもらえるような、そんな会話が弾むような商品を目指して開発しております
流通大手のイオンは、プライベートブランド商品の強化を掲げていて、グループ全体で約1兆円の売り上げを2兆円に倍増させる計画だという。
試行錯誤の末に生み出されるプライベートブランド商品には、企業の個性や開発担当者たちの思いが詰まっている。
（テレビ西日本）
