高輪ゲートウェイ駅が開業したのは昨年だが、JR御茶ノ水駅の構内に、さらに新しい“駅”ができたのを知っているだろうか? 今、その新たな駅が「センスが良い」と話題になっている。

まずは、Twitterユーザーのあすたりすくさん(@akiba_asterisk)が投稿した、その新しい駅を見てほしい。

御茶ノ水駅の聖橋口改札に、「消毒駅」が設置されてました。最寄り駅は、対策と習慣とのことであります。さすが、多くの病院の最寄り駅だけあって意識とセンスが高めですね。

このコメントとともに投稿された画像に映るのは、白い机の上に置かれた1台の消毒液。その机に貼られている貼り紙には“駅名標”が…。

提供:あすたりすくさん
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よく見ると、消毒“液”を消毒“駅”に、前駅名と次駅名がそれぞれ「対策」→「習慣」と書かれているのだ。

そして、「JC 03」という駅のナンバリングはJR御茶ノ水駅の番号のようだが、その他、“消毒駅”の韓国語や中国語、英語での表記など、本物の駅名標に似せたデザインにセンスを感じる。

これは3月中旬頃からJR御茶ノ水駅の聖橋口改札内に、駅員が設置したものだそうで、この投稿には「センス最高」「なかなか粋な事を」「ユーモアに溢れてる」といった言葉選びやデザイン力を称賛するコメントが多くあり、10万のいいねがつくほどの反響がある(4月30日時点)。

“駅名標”部分アップ(提供:あすたりすくさん)

商業施設などにも設置されることが多くなり、目にする機会が増えた消毒液。駅という人が多く集まる場所に置かれた消毒“駅”は、新型コロナウイルスの感染予防には大切な存在になることだろう。

しかし、どういった経緯で改札近くに消毒“駅”を設置することにしたのだろうか? 新たな”駅”の利用者はどれほどいるのだろうか?

JR東日本東京支社の広報担当者に教えてもらった。

「少しでもお客さまの目に留まりやすいものにしたい」

ーー「消毒駅」を設置することになった経緯は?

お茶の水茗溪通り会さまより消毒液用のディズペンサーをご提供いただいたことがきっかけです。茗溪通り商店街の各店舗に設置され、安心して「御茶ノ水」というまちに訪れていただけるように地域一体となって取り組みました。

また、御茶ノ水駅周辺には大小問わず数多くの病院が点在しており、お客さまとともに感染予防に取り組んで医療従事者を応援したい想いから実施いたしました。

提供:JR東日本

ーー普通に設置するのではなく、「消毒駅」というユーモアある設置をした理由は?

社員の間で「無造作に置かれていることが多い消毒液を、少しでもお客さまの目に留まりやすいものにしたい」という社員の発意から御茶ノ水駅で作成しました。多くのお客さまの目に留まるものなのでリアルなデザインを追求して作成しました。


ーー駅名標を再現するために実物と見比べたりした?

実際にある駅の看板や当社の案内表示のマニュアルを参考にし見比べながら、作成しました。色合いやフォント等を実物により近いものに作成する点で苦労しました。

参考にしたJR御茶ノ水駅の駅名標「JC 03」駅のナンバリングが同じ(提供:JR東日本) 

デザインの参考にしたのは「JR御茶ノ水駅」で、3人の若手社員による発案で約2週間掛けて制作したという。

リアルさの中に込めたメッセージ

ーーこだわりの部分を教えて。

色合いやフォントは実物に出来る限り近いものを使用しリアルさにこだわりました。また、「対策→習慣」の行先表示はコロナに打ち勝つための必勝法だと考え、病院の多い御茶ノ水駅だからこそ、お客さまと一体となって医療関係者を応援しようというメッセージを込めております。

こだわりポイントでもある「消毒駅」看板のリアルさとメッセージ性に着目して頂き、楽しんでいただければと考えております。

行先表示はコロナに打ち勝つための必勝法(提供:JR東日本)

ーーどういった反響がある?

「あれいいね!」「おもしろい!」等、多くの好評をいただいています。社員の有志で頑張って作成したものなので反響をいただき嬉しいです。


ーー「消毒駅」を実際に利用している人は多くいる?

SNSでの反響後から、老若男女問わず幅広い世代のお客さまにご利用いただいております。

JR御茶ノ水駅の聖橋口改札内に設置されている(提供:あすたりすくさん)

新たな“小さな駅”は、感染予防のために消毒してもらうだけでなく、駅員から利用者へのコロナに負けない応援メッセージが込められていた。

ちなみに、「消毒駅」は終了時期は未定とのこと。3度目の緊急事態宣言が発令された今、より「対策→習慣」のメッセージを大切にしていきたいものだ。
 

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