店内の至る所に和の要素…世界で活躍するパティシエの店がリニューアルオープン

東海地方を代表するパティシエ・柴田武さんが営む名古屋市千種区の「シェ・シバタ名古屋」が、2021年2月リニューアルオープンした。開店初日には、オープンを待ちわびていた客が行列を作った。

リニューアルオープンに合わせて考案された、自慢のチョコレートを使った新作ケーキは、完売する人気だった。

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2021年2月23日。名古屋市千種区の地下鉄覚王山駅の北、日泰寺の参道にある「シェ・シバタ名古屋」が、リニューアルオープンした。
この日の午前8時前。厨房に柴田さんの姿があった。

柴田さん:
新しい柴田が何をやるんだというワクワク感もあるし、失敗できないというプレッシャーももちろんあります

柴田さんは、フランスで学んだ伝統や製法をもとに、大胆で独創性に富んだスイーツを生み出すことで知られている。海外にも多くの店舗を展開し、世界を舞台に活躍。その拠点とも言うべきこの店舗を2020年4月に一旦閉じ、約1年かけて改装した。

新型コロナウイルスが蔓延する以前、1年のうち半分を海外で仕事をするうちに、改めて日本文化の良さを実感した柴田さんは、その思いから店内の至るところに和の要素を散りばめた。
ショーケースには柴田さんが手掛ける美しいスイーツが並ぶ。

素材や口どけにこだわった最高のチョコレートを使用…リニューアルに合わせ新作登場

真っ赤なハートの形が目を引く「クー デ ボア」(550円)。中にバニラのババロア、ラズベリーのジュレを忍ばせ、見た目とは裏腹に繊細な甘さと食感を楽しむことができる。

そしてフランス産の有塩バターと塩で甘さとコクを際立たせた「エクレール オ ブールサレ」(460円)。どれも魅力的だ。

リニューアルオープンの目玉として考案された新作が「ルティム ショコラ」(860円)。

どんなケーキ店にも「チョコレートは絶対に負けない」と、素材やくちどけにとにかくこだわったという柴田さん。

柴田さんがアンバサダーを務めるフランスのブランド「セモア」のチョコレートムースに、世界最高級と言われる、タヒチ産のバニラを使ったクレームブリュレが詰まっている。

ビター系のトロッとしたチョコレートは、ほどよい甘さで口の中で優しく溶けて、上品な甘さのバニラとよく合う。

「待っていました」「ワクワクする」…開店前に既に客の行列

開店1時間前の午前10時、店先にはすでに行列ができていた。そして午前11時、開店。

女性客A:
春にはオープンと記載されていたので、待っていました

女性客B:
ショーケース見ていると宝石箱開けているみたいで、ワクワクする

待ちに待ったオープン。次々に客が訪れた。

男性客:
新しく出た「ルティム ショコラ」、おいしそうだったので買いました

オープンの目玉に考案した「ルティム ショコラ」の売れ行きも好調だ。柴田さんも入店待ちの人へ気遣いをしながら接客を続ける。

1年かけたリニューアルとコロナが重なる…自粛中にはスイーツのデリバリーも

リニューアルオープンに1年を費やしたが、それがコロナ禍と重なった。当初店舗改装中に、海外のイベントへの参加や、知人の店舗での研修を予定していたが、実現できなかった。

代わりに2020年4月から実施したのが、柴田さんが自ら出向く「スイーツのデリバリー」。「お客さんの心を和ませたい」と始めたが、それはスタッフの雇用確保でもあった。

柴田さん:
直接お客さまと会話ができたのは、今までできなかったことなので、僕にとってはプラスになった

大規模な改装をコロナ禍の中で迎え、正直不安だったというが、オープンするとたくさんのお客さんが来てくれたことに柴田さんは胸をなでおろしている。

新作150個は完売…「シェ・シバタ」は新たな店舗で世界に向け発信を続ける

午後3時過ぎ、人が途切れることなくやってくる。新作の「ルティム ショコラ」は用意した150個が完売。

上々のリニューアルオープンとなった。

柴田さんは「日本人のパティシエが、自信を持ってもっと世界に発信していく時代。日本の若い卵たちがこのお店の内装やケーキを見て、もっと夢を持ってもらいたい」と話す。

「シェ・シバタ名古屋」は、名古屋市千種区の地下鉄覚王山駅の北、日泰寺の参道に。

(東海テレビ)

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