20代30代の割合増加 爆発的感染拡大に警戒
「増加比がさらに上昇すると爆発的に感染拡大し、第3波を超えるような経過をたどることが危惧されます。加えて変異株の感染者が都内でも著しく増加しており、より厳重な警戒が必要」
4月8日に開かれた東京都のモニタリング会議。新規感染者数の7日間平均が前回の349人から395人に増え、増加比も113%と3月中旬から増加傾向が続いている、との分析が示された。
年代別に見ると20代、30代の割合が増えている。

大阪で広がる変異ウイルス 都内でも1週間で5倍に
「数字だけでなくて質的に変わってきて、大阪府などの状況を見ますと、変異株については感染力の強いものであると。それが拡大しているという話」
小池知事がこう懸念を示したように、大阪で広がっている感染力の強い変異ウイルスが、都内でも1週間で5倍になっているとのデータも示された。

国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は、急激な感染拡大を防ぐためにも「直ちにに対策を講じる必要がある」と強く警鐘を鳴らした。
また、医療提供体制については「通常医療が大きく制限されている」として、東京都医師会の猪口正孝副会長は、繁華街などでの無症状者のPCR検査も検討していることを明らかにした。

「まん延防止」要請の背景 小池知事の考えは
「東京がいつ大阪のようになってもおかしくない」
大阪の緊急事態宣言解除後から、大阪の動きを注視してきた小池知事。その小池知事が8日、大きく動いた。
「危機管理の観点から、国に対して、直ちに措置の適用を要請いたしました」

元々、都庁内では、感染者数の7日間平均が500人を超えたところで要請、との見方もあった。
しかし、7日に2カ月ぶりに500人を超え、8日も500人を上回った。このようなタイミングでまん延防止等重点措置を要請。
スピーディな決断に加え「状況によって緊急事態宣言の発出など」とも述べた。
その裏には、変異株の爆発的な感染拡大への恐れとともに、元々の小池知事の考え方があったのかもしれない。小池知事はかつて「危機管理は大きく構えて、必要なくなれば縮小していく」と話していた。
23区と隣接した市などが対象 “見回り隊”も検討
その重点措置だが、小池知事は“長め”に1カ月程度を念頭にしているようだった。
「ゴールデンウィーク全体をカバー出来るくらいの方が」と話し、開始時期は「国と協議した上で」と述べるに留めたが、関係者によると、事業者の準備などもあることから週明け12日に開始の見通しだという。

また、重点措置は緊急事態宣言とは異なりエリアを限定するものであることから、23区とその隣接した市などを対象にする方針だ。
これは、杉並区の西荻窪と武蔵野市の吉祥寺のように、隣接しているところで対応が割れてしまうと、混乱が生じてしまう恐れがあるからだという。
また、午後9時までに緩和された飲食店の時短要請は午後8時までにする方針で、数百人規模での“見回り隊”も検討しているようだ。
深夜になるほどマスク未着用
「18時以降、最終の電車の時間が近づくにつれてマスクの未着用率は顕著に増加しています」
東京都医学総合研究所の西田淳志社会健康医学研究センター長は、3月後半の12日間、六本木駅構内でマスク検知システムを試験的に導入し、マスク未着用率について試験的に調べたという。
その結果、朝8時台のマスク未着用率が1.7%であるのに対し、20時台は6.7%、23時台では11.3%まで増え、一方で始発時間帯のマスク未着用率も高いという。

ワクチンが行き渡るまでの間、重点措置で感染を抑え込んでいけるのか、一人一人の予防対策とともに、都の対策の実効性が問われることになる。
(執筆:フジテレビ都庁担当 小川美那記者)