“1年遅れの入学式”各地で続々

この記事の画像(7枚)

2021年3月31日。東京・武蔵野市にある成蹊大学で、校歌を“清聴”しているのは、この春入学する新1年生ではなく、新2年生です。新型コロナウイルスの影響で、2020年度の入学式が中止になった大学で、新2年生を対象にした「1年遅れの入学式」が行われていたのです。
 

成蹊大学では、密を避けるために式典を2回に分けて開催。あわせて1500人以上が出席しました。2020年は授業のほとんどがオンライン形式。学生の中には、クラスメイトと直接顔を合わせるのが2回目だという生徒もいました。

箱根駅伝1年生ランナーが“宣誓”

1年遅れの入学式は別の大学でも。

横浜市の神奈川大学で新2年生代表として宣誓を行ったのは、佐々木亮輔さん、19歳。陸上競技部に所属し、2021年1月には箱根駅伝にも出場しました。佐々木さんの晴れ姿をオンライン配信で見守っていたのは、遠く離れた福岡県で暮らす両親です。

成長した我が子の姿に目を細めます。宣誓終わりには思わず拍手も。1年遅れの入学式は、両親にとっても忘れられない瞬間になったようです。

遠隔で見守る…親もまた“スタート”に

晴れ舞台を見守った佐々木さんのご両親に、永島キャスターが話を聞きました。

本来であれば2020年4月に行われるはずだった入学式が実施できなかった事は、新型コロナのため仕方がないと受け止めていたご両親。しかし、一回諦めたものが、遠隔であってもしっかりとみることができ、本当に満足していると父・寿雄さん。母・由紀子さんも、1年越しであっても、息子が入学式でスーツを着ている姿を見られて本当にうれしかったとのこと。コロナ禍が続く中、大学生活を再スタートする息子・亮輔さんに対しては、大学生活は残り3年あるので、勉強だけではなく、友達を作ったり、社会の様々な事に触れたりする経験をして欲しいと、願いを込めました。

各地で行われた1年遅れの入学式。取材をした永島キャスターが感じた事は、「入学式を行ったことで、学生だけではなく、保護者もまたスタートを切ることができる」という事。新しい門出の季節、それぞれの春が始まります。

(めざまし8「ナガシマ9」4月1日放送)