書き心地、持ち運びやすさ、デザイン性と人によってノートを選ぶ基準はさまざま。その選ぶ基準の中に新たに“触り心地”を追加するのはどうだろうか?

絶滅危惧種の“肌触り”を再現したノート

株式会社TRINUSが4月5日より先行予約販売を開始したのが、絶滅危惧種の生物たちの“肌触り”を再現したという「flerco note(フレルコノート)」だ。

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ノートの仕様は、ハードカバーのB6サイズで持ち運びがしやすく、本文は書きやすい上質用紙に、あらゆる用途に使いやすいドット方眼(5ミリ間隔)を使用。表紙を開くと最初に目に入る見返しも鮮やかな色と、こだわりが満載。

左:本文 右:見返し(フィジーイグアナ)

そして“肌触り”を再現した絶滅危惧種は「フィジーイグアナ」「ジンベエザメ」「アミメキリン」の3種類で、それぞれ表紙の製法も異なっている。

「フィジーイグアナ」は、特色印刷と「UV厚盛り印刷」を使い、「世界一美しいイグアナ」といわれる鮮やかなグリーンカラーと爬虫類らしい皮膚の凹凸感を表現。

「ジンベエザメ」は、極小ビーズを混ぜ込んだ「テクスチャ印刷」を使い、ザラザラしたサメ肌を表現。

「アミメキリン」は、紙に貼り付けた不織布の上から印刷する「不織布印刷」という技術を使い、ぎっしりとした短毛を表現。

左からアミメキリン・フィジーイグアナ・ジンベエザメ

先行予約販売は5月31日までで、その期間中は1冊1600円(税込み)、3冊セット4500円(税込み)で「TRINUS」サイト内にて購入可能。売り上げの一部は動物保護団体へ寄付するという。なお、商品到着は7月下旬を予定している。
 

上からジンベエザメ・フィジーイグアナ・アミメキリン

見る機会すらなかなかないだろう絶滅危惧種を触ることができるというノートだが、実際再現度はどれくらいあるのだろうか?そして、どうしてこの3種類になったのだろうか?

株式会社TRINUS・商品開発担当の新井麻亜沙さんに話を聞いてみた。

アジアゾウも開発段階では候補だった

ーー「flerco note」を作ることになった経緯は?

本商品の原案は、2015年にTRINUSで開催した「金型不要のエンボス加工技術Delitte(デリット)」を活用したプロダクトデザインコンペでの採用企画でした。絶滅危惧種の擬似レザーを身に着けるという強いメッセージ性のある企画が採用となりましたが、最適なアウトプットの検討を続け、「ユニークな技術を活用できること」「多くの人が日常的に手に触れるもの」という観点から、ノートに至りました。

フィジーイグアナ

ーー「フィジーイグアナ」「ジンベエザメ」「アミメキリン」の3種が選ばれた理由は?

・多くの人が知っている、かつ触れたことの少ない動物であること。
・ノートにしたときの意匠性。
・特殊印刷の手触りに本物感があること。

ちなみに、開発段階での他候補は、アジアゾウやアンデスフラミンゴ、アロワナなどがありました。

ジンベエザメ

ーー本物の動物たちの肌と、どうやって比較したの?

ぜひ実際に触れたかったのですが、コロナ禍の情勢もあり残念ながら叶いませんでした。高精細写真から手触りを想像しながら開発を進めました。


ーーズバリ、再現率はどれくらいあるの?

再現率は、特殊印刷の限界に挑戦できたと思っていますが、それ以上に、このノートに触れる方々にとって「触れたことのないものに触れる」ときのワクワクする気持ちや、絶滅の危機に瀕している動物たちへの想像力を働かせるきっかけになればと思います。

アミメキリン

ーー完成した商品を手にした時どう思った?

はじめて触る瞬間は、指先に神経を集中させるような緊張感がありました。インパクトのあるデザインに仕上がったことを嬉しく思いました。

“触れたことのないものに触れること”を楽しみながら使ってほしい

ーー製造にて、苦労したのはどこの部分?

フィジーイグアナ:UV厚盛りの凸凹感やツヤ感をどこまでリアルに再現できるか。
ジンベエザメ:ザラザラした手触りを強くするため、テクスチャ印刷の版の形状にもこだわりました。
アミメキリン:不織布印刷技術に合う短毛動物の選定に悩んだことが挙げられます。

ーー動物の肌への再現の他、こだわった部分はある?

色上質紙を使った帯や見返しのデザイン性です。表紙を開いたときに気持ちが高まり、ノートとともに過ごす日々への期待が高まるような仕上がりを目指しました。


ーーノートとしての使い心地はどう?

flerco noteに採用したドット方眼は、縦横どちらでも使え、文字を書くのにも図や絵を描くのにも寄り添ってくれる懐の深いフォーマットです。上下左右の中央にある4つのドットを少し大きくしているので、情報整理などにも便利に使っていただけると思います。

ドット方眼で文字だけでなく図や絵でも使いやすい

ーー今後、新しい種類の発売予定などはあるの?

具体的な予定はまだたっていませんが、新作リリースは大きな目標です!


ーーどういった人に、どのように使ってもらいたい?

いま、手のひらサイズの画面からあらゆる情報が手に入る時代です。でも「知っていること=表面的な知識」と「実際に触れること=五感を使った体験」は全く違うものです。“触れたことのないものに触れること”を楽しみながら、自分をアップデートし続ける方たちに使っていただけたら嬉しいです。

本商品の売上の一部は動物保護団体へ寄付されますので、動物保護活動に関心のある方にもぜひ手にとっていただきたいです。

デザインの元となった絶滅危惧種たち

新井さんは「絶滅危惧種の動物と同じように、大切に扱っていただけると嬉しいです」とも話してくれた。

7月頃より価格1冊1800円(税込み)で一般販売も予定しているというが、2021年5月末までの間、有楽町・新宿の体験型店舗「b8ta」にてサンプルを展示しているという。興味ある人は実際に触れてみて、購入を検討してみるのはどうだろうか。
 

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