片道9時間かけ岐阜と福島を何度も往復…飼い主と離れ離れになった犬を保護
10年前の東日本大震災では、多くの犬が犠牲になった。
震災発生後、岐阜・富加町にある日本動物介護センターの施設長は、岐阜と福島を何度も往復し、飼い主と離れ離れになった48匹の犬を保護。そのうち10匹が、今もセンターで暮らしている。
10年前の東日本大震災では、少なくとも3000匹以上の犬が犠牲になった。鳴き声やアレルギーの問題で、避難所で受け入れを拒まれるケースもあった。
岐阜県に、飼い主と離れ離れになった犬たちがいる。
岐阜・富加町の山間部にある「日本動物介護センター」。災害時、犬や猫など約100匹まで、無償での受け入れを予定している。
施設長の山口常夫さんは、10年前の東日本大震災の際、福島まで駆け付けた。
山口さん:
ほぼ毎週のように福島、宮城へ行って、困っている人のところをまわって、預かってこちらに運んだ
当時、山口さんは片道9時間、車で岐阜と福島を何度も往復し、保護した犬は48匹。そのうち、今も10匹の犬が、ここで暮らしている。
津波で死亡した息子に代わり飼育…未だ災害公営住宅で暮らす母親
雑種のぱんしろくんは、東日本大震災の時、放浪していたところを山口さんたちに保護された。
山口さん:
役場の入り口に、写真を貼って「飼い主さんみえたら連絡ください」って。いまだに（飼い主は）現れない
飼い主とは連絡がとれず10年が経つ。
コーギーのマリちゃん（16）は、飼い主だった男性が津波で亡くなった。
現在マリちゃんは、亡くなった男性の母親・鈴木さん（90）が飼っている。鈴木さんは10年前、福島・浪江町の自宅で被災。今もなお災害公営住宅で生活している。
災害公営住宅ではペットの飼育が禁止されていて、引き取ることはできない。そのため、鈴木さんは年に２度しか、マリちゃんと会えない。
鈴木さん:
寂しいよやっぱり、家族の一員だもん。一緒に暮らしたいけど、それは許されない。動物はダメだってことで
東日本大震災から10年が経ったが、マリちゃんと一緒に住むにはまだ時間はかかりそうだ。
飼い主として、私たちが今できる備えとは…。
日本動物介護センターの山口さんは、「まず飼い主は、自分の地域の避難所がペットを受け入れてくれるかの確認を。もしダメな場合は受け入れ可能な避難所を近くで見つけておくことが大切」と話す。
（東海テレビ）
