OECD37カ国で最も遅いスタートの韓国

韓国では2月26日からワクチン接種が始まる予定ですが、これはOECD=経済協力開発機構に加盟する37カ国中最も遅いスタートです。韓国政府は当初、2月中旬にファイザー社製ワクチンの接種が始まると発表していましたが延期となり、ワクチンの種類も65歳以上への効果が不透明との声が出ているアストラゼネカ社製になりました。ワクチン導入の遅れと相次ぐ予定変更で政府への不満の声が出る中、10日前には200人台まで減った一日の新規感染者数は600人台へ再び増加しています。世界中でワクチン接種が進む中、「K防疫は世界一」と自画自賛していた韓国のコロナ対策は難しい局面を迎えつつあります。(ソウル支局長 渡邊)

新規感染者数が再び増加している韓国
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接種も研究も世界をリードするイギリス

ワクチン接種が始まって2カ月、計画は順調に進んでいて、接種した人の数は1600万人、人口の24%に達しました。政府の最新の調査では、これまで優先的に接種が行われてきた80歳以上の高齢者のうち40%以上が抗体を持っていることがわかり、ワクチンの効果も見え始めました。17日にはすでに接種を終えたチャールズ皇太子とカミラ夫人がワクチンセンターを訪問し、スタッフやボランティアを激励。オックスフォード大学では世界で初めて、6歳から17歳の子供たちへの治験がスタートしました。(第一段階は12歳~17歳)イギリスは接種だけでなく、ワクチンの効果などの研究でも世界をリードしています。(ロンドン支局長 立石)

6歳から17歳への治験もスタートしたイギリス

「感染した人の接種は1回」世界初の勧告

フランスは最新のワクチン戦略として「感染した人の接種は1回」とする世界初の勧告を発表しました。公民館での接種、巡回ワクチンバスなど、様々なワクチン戦略をとってきたフランス。当初は伸び悩んだ接種件数も2月末には430万件に達する見込みです。こうした中、保健当局は一度感染した人の免疫は少なくとも3カ月は続くとして、2回の接種が必要とされるワクチンでも、1回で同じ効果が期待できるとする勧告を発表。政府がこれを承認すれば、すでに感染した人は1回の接種で済むことになります。接種を希望する人が増え、予約が取りにくくなっている中で、さらに幅広い人たちに接種できるようにする狙いもあるとみられます。(パリ支局 藤田)

様々なワクチン戦略をとってきたフランス

課題は、ワクチンの"安定供給"

ここドジャースタジアムは一日7000人に接種できる全米最大規模のワクチン接種会場で、連日順番待ちの車が行列するんですが、今日は閑散としています。理由はワクチンが足りなくなったからで、他にも市内の大規模な接種会場5カ所が一時的に閉鎖されました。計画的に接種を進めるには、ワクチンの供給を安定させることが大きな課題です。一方、住宅街の中にあるこの公園にはワクチンや機材を積んだトレーラーがやって来て、臨時のワクチン接種会場が作られています。高齢者など遠くの会場に行きづらい人や、接種率の低い黒人層などへの対応です。このトレーラーは、そうした人が多く住む地域を数日ごとに回って、地道に接種を進めています。(ロサンゼルス支局長 益野)

ワクチン不足で一時的に閉鎖された接種会場

寒波でワクチン供給物流ラインが寸断

バイデン大統領は7月末までにアメリカの全国民およそ3億人のワクチン接種を目指す方針を打ち出しました。しかし、御覧の通りワシントンもすっぽりと雪に覆われるなど、全米各地を記録的な寒波が襲っていて、ワクチン供給の物流ラインが各地で寸断。供給の遅れから、バイデン政権が掲げる目標達成を危ぶむ声も上がっています。一方、ネット上では期限切れ間際のワクチン情報を公開する「ワクチンハンター」というサイトが話題に。余ったワクチンを廃棄せずに活用するもので、指定された場所に行けば誰でも接種できます。ただ、利用者はフットワークの軽い若者が多く、高齢者は恩恵を得られないという問題点も指摘されています。(ワシントン支局長 藤田)

寒波襲来で物流ラインが寸断

ワクチン接種促進に特別手当

アメリカでは企業が従業員にワクチン接種を促すため、特別手当を出すなど様々な取り組みが広がっています。大手ハンバーガーチェーンのマクドナルドでは、直営店の従業員がワクチンを接種した場合、4時間を有給扱いにするとしています。このほかスターバックス、大手スーパーのトレーダー・ジョーズでも、2回の接種であわせて4時間を有給扱いにするほか、企業によっては、接種会場までの交通費の補助や現金の支給などを打ち出しています。アメリカでは安全性などへの不安から、ワクチン接種に消極的な人もいて、企業側はインセンティブを設けることでワクチン接種を促す狙いがあります。(ニューヨーク支局長 上野)

各企業が様々な取り組みを導入してワクチン接種を促すアメリカ

「ワクチン接種が遅い」政府への批判相次ぐタイ

まだワクチンの接種が始まっていないタイは「遅れている」と政府への批判が相次ぎ国会でも追及を受けています。野党の質問「ワクチン接種1カ月の遅れが2000億バーツ(約7000億円)の損失につながる」すでに各国でワクチンの接種が始まっている東南アジアですが、ミャンマーやカンボジアなどインドや中国から無償でワクチンの提供を受けた国も目立ちます。無償提供を受けないタイでは2月24日に中国製のワクチン第1陣20万回分が到着し、医療従事者らへの接種が始まります。また、5月にはイギリスのアストラゼネカが開発したワクチンをタイ国内の工場で生産する予定です。ワクチン接種では出遅れ感が否めないタイ、懸命の巻き返しが続いています。(バンコク支局 武田)

ワクチン接種の遅れを国会で追求する野党

「健康コード」にワクチン履歴も

中国では感染リスクが高い職業や地域の人から順にワクチンの接種が本格化していて、こちらの会場にも市民が次々と訪れています。政府によると春節の大型連休前までにすでに4000万回の接種を終わり、北京でもタクシーの運転手やデリバリーの配達員などがワクチン接種済みと安全をアピールして仕事に当たっています。またこちらは中国で店に入るときなどに提示が求められる「健康コード」アプリの外国人版です。最近になってワクチンの履歴を表示する機能が導入されたことから、今後は外国人に対する接種も始まるとみられます。駐在員の間でも中国産ワクチンを打つかどうか、話題に上ることが増えています。(北京支局 岩佐)

タクシーの運転手も「接種済み」と安全をアピール

百貨店やショッピングモールで接種

新型コロナウイルスワクチンの接種対象が全国民に広がったロシア。百貨店やショッピングモールなどにも新たにワクチンの接種場所が作られています。モスクワ中心部の観光名所、「赤の広場」の近くにあるこちらの百貨店は、予約なしで、買い物ついでに気軽に打てるため一番人気です。ワクチンを打った女性「(子供と一緒に)ここに来る母親は多い。短時間で終わるので便利だから」モスクワではすでに55万人以上が接種済みで、今後2週間で6万人が打つ予定です。この施設がオープンした1カ月前に比べモスクワの感染者数は70%も減っていて、保健当局は感染拡大に歯止めをかけられると自信を見せています。(モスクワ支局長 関根)

百貨店やショッピングモールにも接種場所を設置

人口の6割のワクチン接種を目指して

トルコでは新型コロナワクチンの接種が始まって1カ月あまりで、既に500万人以上が1回目の接種を受けました。トルコは2020年のうちに中国のシノバック製ワクチン5000万回分の購入を決定。2月に入るとさらに、その倍の1億回分を調達すると発表しました。シノバック製ワクチンについてトルコ政府は「不活化ワクチンでリスクが低く効果が高い」と繰り返し説明しています。しかし、ブラジルでは有効性が5割にとどまるとされ、効果を疑問視する声も。トルコの累計感染者数は260万人、新規感染者数は今も8000人前後で高止まりしていて、政府は早期に人口の6割のワクチン接種を目指しています。(イスタンブール支局長 清水)

シノバック製ワクチンについて「不活化ワクチンでリスクが低く効果が高い」と説明するトルコ政府

【取材:FNN海外支局特派員取材班】