北海道内では特別養護老人ホームやグループホーム、サービス付き高齢者向け住宅など高齢者施設での感染が連日確認されている。

北海道医療大学の塚本容子教授は、入所者が感染した札幌近郊の高齢者施設に支援に入った。
そこで見えたこととは。

この高齢者施設では、感染発覚後すぐに施設内をビニールシートで仕切るなどの対策を行った。感染したのは1月下旬に入所した男性。

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スタッフ:
お父さん、今ね入院中なの。熱が39度もあって、これから薬を飲まなきゃだめで、あそこで入院するの

男性:
わかってるよ。わかっていて出ている

男性は90代で認知症を患っている。
病状を理解しやすいよう説明し、自分の部屋に留まるよう誘導した。
ほかの入所者も体調に異常がないかチェックし、それぞれの部屋に誘導するが、どうしても出歩いてしまう。

北海道医療大学・塚本容子教授:
おっかない、部屋に戻っていて。流行病だからすぐなくなると思うけど、ちょっとの間ね

スタッフ:
横になっててしか言えない。ごめんね

その後、感染した男性は入院。感染拡大を防ぐことと介護の両立は大きな課題となっている。

感染拡大を「初動」で防ぐ

今回、塚本教授が支援に入ったのは「グループホーム」。

【グループホームとは】
・認知症の高齢者が共同生活をする
・定員9人(最大18人)
・入居者同士の接触が多い(食事・レクリエーションなどを共同で行う)

入所者の能力に応じ、役割を分担しながら共同生活を行うことが、ほかの介護施設と大きく異なる点だが、その分感染リスクも高まる。
高齢者施設で感染が判明した場合、感染拡大を防ぐためにどうしたらいいのか。

北海道医療大学・塚本容子教授:
まずは、迅速な初動1人感染したら「全員感染」の可能性を考え対策をすることが重要。十分な対策ができない施設が多いため、保健所が適切な指導をすることが重要

北海道医療大学・塚本容子教授:
2つ目は、職員の定期的なPCR検査。札幌市は医療従事者や介護士には月1回実施へ動いているが、ほかの自治体も実施検討をいただきたい

北海道医療大学・塚本容子教授:
3つ目は新規入所者には必ずPCR検査。全員が安心して生活するための検査実施を

高齢者施設でのクラスターを防ぐため、施設への自治体の支援体制の充実もカギを握っていると言えそう。

(北海道文化放送)

北海道文化放送
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