全日本フィギュア選手権・男子ショートプログラム(SP)。
エースの復活か、王者の5連覇か。
その一騎打ちに待ったをかけたのは、17歳、新世代の演技だった。
2019年の全日本では、ジュニアながら3位表彰台にのぼった、鍵山優真選手(17)。
冒頭のコンビネーションジャンプ、見事着氷すると、4回転トゥループも高い加点がついた。
自己ベストを大きく上回り、暫定1位。
シニア1年目の鍵山選手が、成長の証しをリンクに刻んだ。
鈴木唯アナウンサー「鍵山優真選手の演技はいかがでしたか?」
解説 無良崇人さん「本当にジャンプの安定感、素晴らしかったですし、また演技構成点という部分でも、密度の濃いプログラムを滑れていたという印象でした」
ここからは最終組。
まずは、2019年4年ぶりの出場も2位となった羽生結弦選手(26)。
今シーズン初戦となる全日本は、新プログラムで挑む。
曲は「Let Me Entertain You」。
鈴木唯アナウンサー「アップテンポな曲にしたんですね?」
無良崇人さん「そうですね、2014年のオリンピック以来ですよね。ロック調の曲は縁起がいいというイメージもあると思います。すごくいいプログラムだなと思いました」
鈴木唯アナウンサー「まず最初のジャンプ4回転サルコウです、無良さん」
無良崇人さん「本当に4回転サルコウ、跳び上がりこそ良かったですが、ちょっと着氷のところで詰まってしまいましたね。それでも出来栄え点は、すごく高い数字がついていました」
そしてコンビネーション。
無良崇人さん「この後ろの3トゥループ、少し勢いが良すぎて回りすぎていましたね」
フライングキャメルスピン、そして得意の3アクセル。
無良崇人さん「ここはもう、お得意の3アクセル。出来栄えも本当にいい評価でした」
鈴木唯アナウンサー「しかし、続けた足換えシットスピンなんですが、得点が入らなかったんですよね?」
無良崇人さん「これ実は僕らもいろいろ調べてみたんですが、なぜこうなっているのか、はっきりしたことが言えなくて臆測ではあるんですが、左足の難しい、ディフィカルトポジションというのが、規定の回数が回れていないというのが僕らの結論なんですけど、実際ジャッジの人に聞いてみないとわからない。回っているのに0点になるというのは、なかなか珍しいことではあります」
ステップシークエンス。
演技後は、リンクに向かって感謝の意を表現した。
羽生結弦選手「完璧ではない着氷もあったが、立たせていただいてありがとうという感じでした」
結果は103.53で、暫定1位。
三田友梨佳キャスター「無良さん、あらためてなんですけど、10カ月ぶりの試合で圧倒的な演技でしたね」
無良崇人さん「そうですね、公式練習から調子がすごく良さそうでしたし、ただ逆に調子が良すぎて回転が回りすぎてしまっている印象というのをすごく受けました」
三田友梨佳キャスター「新プログラム、元気にさせてくれるような、そんなプログラムでした」
その羽生選手もなし得なかった5連覇に挑む、宇野昌磨選手(23)。
およそ10カ月ぶりの実戦は、2019年と同じプログラム「Great Spirit」。
迎えた2つ目のジャンプ、コンビネーションの予定が1つ目の4回転で、まさかの転倒。
その後は持ち直したが、ジャンプ転倒が響き3位。
26日のフリーに、全てをかける。
SP3位・宇野昌磨選手「緊張した~。明らかに降りれるジャンプだったんですけど、自分の不安な気持ちがあらわになったジャンプだったと自覚している。もちろん試合は楽しみたいですし、しっかり練習してきたことが出せればいいなと思います」
SP2位・鍵山優真選手「すべてをかける思いで集中してやろうと思った。出来のいいプログラムになったので良かったかなと思っています」
SP1位・羽生結弦選手「楽しかったので、何よりもそれが一番大きいです。形としてはジャンプは跳べているので、自分のことえお褒めてあげたい。得た経験だとか、すぐあしたに使えるものはいっぱいあるので、それをしっかり使いつつ、試合の演技をしたいと思います」