自然は時に驚きの姿を見せてくれる。
見たことがないほど大きく育った小松菜がTwitterに投稿され、話題になっている。
その巨大な小松菜が、こちら。
今シーズン最大の小松菜、捕獲😆 pic.twitter.com/qb0I2s2Dl8
— 徳本修一|Science farmer (@tokumoto1122) December 10, 2020
この記事の画像(6枚)今シーズン最大の小松菜、捕獲
そのコメントと共に投稿された写真には、畑を背景に巨大な植物を抱える1人の男性の姿が。驚くことに男性が抱えているのは、大きく成長した小松菜だと言うのだ。
その巨大な小松菜は、大人の男性の上半身を隠すほどに成長しており、直径約1メートル、根は10センチと大根程の太さがあり、重量が通常の小松菜の200倍の6.2キロあったという。
ちなみに、通常の小松菜は1株約25センチ、約30~40グラムが一般的だそう。
この成長のすごさにTwitterには、「え?コラじゃなくて?」「これは小松菜ではなく大松菜」といった驚きのコメントが集まり、21万以上のいいねがつき話題となっている(12月15日時点)。
なぜこんなにも大きく成長してしまったのだろうか?そして、ここまで成長した小松菜はどんな味なのか?投稿者で鳥取市のトゥリーアンドノーフ株式会社・代表取締役の徳本修一さん(@tokumoto1122)に話を聞いてみた。
1年以上生きていた小松菜
ーー普段、小松菜はどのように育てているの?
通常は、播種(たねまき)から30日~60日で収穫して出荷しています。
ーーこの小松菜だけが大きくなったの?
同じような大きさの小松菜がごろごろしています。現在30~40株くらいでしょうか。
ーー見つけて収穫した時どう思った?
なかなかデカいな、という感じです。
ーー巨大な小松菜は珍しい?
我々、野菜農家にとってはそこまで珍しくありません。
ーーでは、なぜこんなに大きくなったの?
昨年、冬に収穫しなかった小松菜をそのまま畑にすき込んでいたのですが、今年の夏ごろに蘇生し、ここまで大きくなりました。ですので、1年以上生きていた小松菜になります。
ーー普通に1年以上育てればこの大きさになるの?
通常は、春になると抽苔(ちゅうだい)といって花を咲かせて固くなりますが、今回はその時期には土の中に株ごと小松菜が入っていたので抽苔せずに残り、夏ごろに地上に蘇生して、大きくなったと考えています。
ーーこのまま育てていたらもっと大きくなった?
今回くらいの大きさがマックスだと思います。暖冬の影響もあり、かなり大きくなりました。
連作障害を避けるため、小松菜(アブラナ科)を作ったら別の科目の農産物を作る輪作をしているということで、昨年小松菜を栽培・収穫した場所で、今年は小豆(マメ科)を栽培・収穫。ただ、そのまま畑に埋まっていた昨年の小松菜が復活したのだという。
過去に何度も、このサイズに近い大きさを収穫したことがあるそうで、小松菜を育てる農家ではそこまで珍しくないようだ。
肉厚で美味。鍋がオススメ
ーー収穫したこの巨大小松菜はどうしたの?
規格外過ぎて出荷出来ないので、そのまま畑に置いておきます。スタッフが持ち帰って鍋などで食べることもあります。
ーーこの大きさの小松菜の味は?
柔らかくて肉厚で美味しいですよ!この巨大な小松菜はとにかく肉厚なので鍋がオススメです。ちなみに、普通の小松菜は豚肉とオイスターソース炒めがオススメです。
ーー販売できたりはするの?
このサイズは狙って作れるものではないので、販売用としては難しいですね。でもスーパーの売り場にあったらインパクトありますよねw
ーーもし販売するなら、ちなみに価格は?
直感で500円!(通常の小松菜は1パック80円くらい)
ーー大きな反響があるが、それに対してはどう思う?
多少は反響あるかなと思いましたが、ここまでバズるとは思いませんでした。海外からも反響あり驚いています。カメハメハや怪獣に例えたリプライも面白かったですね。
ーー今後の野菜作りへの意気込みを教えて。
カンや経験だけにたよるだけではなく、科学的視点を大切にしながら、持続的な農業をやっていきたいと思います。世界ナンバー1の農家を目指しています。
なお、この投稿がTwitterでバズったため、徳本さんの会社「トゥリーアンドノーフ」公式YouTubeでも巨大小松菜の解説動画を掲載している。
今回投稿した小松菜と似たサイズの小松菜を収穫したりしているので、そちらでも改めて巨大小松菜の大きさを実感できるかもしれない。
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