立山連峰に今週初雪が降り、標高によって異なる季節の表情を見せている。夏の名残と冬の訪れが混在する美しい風景をカメラが捉えた。

白銀と紅葉の対比

称名滝周辺では紅葉が盛りを迎え、滝見台からは鮮やかな「三段紅葉」の景観を楽しむことができる。しかし、その台地の上には既に季節の境目が現れている。


標高2000メートルの弥陀ヶ原は一面の雪化粧となり、隣接する石川県の白山も粉砂糖をまぶしたように白く浮かび上がっていた。

室堂ではおよそ30センチの積雪が記録され、青空の下で白銀の世界が広がっている。
限られた時間の絶景


みくりが池では、立山の雄大な山稜が水面に映る「逆さ立山」の絶景が楽しめる。この光景は池が凍る前のこの季節にしか見ることができない貴重なものだ。


夏には多くの登山者で賑わう登山道も、今は雪が風の音を吸収し、静けさに包まれている。立山の厳しい冬の寒さが作り出す「霧氷」が祠を覆い始め、冬の訪れを告げていた。
山々の雪化粧

一ノ越からは県境の山並みを見渡すことができる。

日本海側に位置する立山や白山は、太平洋側の山々よりも雪が多いことが一目で分かる風景が広がっていた。


遠くには「アルプス一万尺」の歌で親しまれる槍ヶ岳、さらにその稜線の奥には薄っすらと雪を抱いた富士山も望むことができた。

立山の紅葉と初雪は、移ろう季節が織りなす雄大なアルプスの風景として多くの観光客を魅了している。標高差による三段階の季節の移り変わり、紅葉の麓、雪化粧の中腹、そして白銀の頂が一度に楽しめる貴重な時期を迎えている。
