すると、ごっこ遊びを積極的にさせた子どもたちの
・抑制(脳の抑制する力):
目標達成と関係のない情報や衝動的な反応を抑制する
・ワーキングメモリ(脳の情報処理する力):
ある情報を処理しながら、必要な情報を保持する
という実行機能に含まれる2つの力が有意に伸びていることが分かりました。
現実と想像の違いを意識する
ごっこ遊びでは「現実と想像の違い」を意識しながら、「自分とは異なる立場や状況」を考える場面が多くあります。例えば、お母さんを演じたり、ヒーローになりきったり。
しかし、大人も含めて、人は普段の経験や知識に基づいて物事を判断しがちです。これを「経験的バイアス」と呼びます。
過去の経験や知識を活用するのは「失敗を生かす」「うまくいった方法を応用する」というように大事なことではありますが、時にそうした経験や知識に縛られて柔軟な発想が出にくくなる側面もあります。
一方で、ごっこ遊びでは現実にはないルールや設定も受け入れて遊ぶため、こうしたバイアスを抑える練習になります。これが実行機能における抑制の能力を向上する理由の一つと考えられます。
また、ごっこ遊びでは設定を意識しながら、現実とは異なる自分の役を演じなければなりません。こうした「設定を意識しながら演じる」という行為がワーキングメモリを育てることにつながると考えられています。
考えが違うことを理解する機会にも
では、社会情動的スキルについてはどうでしょうか。
私たちのグループが東京都内の年長児540人に実施した調査(※2)でも、「自由時間にどのくらいの頻度で、ふり遊びをしているか」という質問に対して、より頻度が高かった子どものほうが「他人の気持ちを気遣える」といった社会情動的スキルが高い傾向にありました。

