今年6月、富山県魚津市の北陸自動車道で起きた大型トラックが工事車両などに突っ込んだ事故。作業中だった2人が命を落としたこの事故で起訴された元トラック運転手の被告の初公判が開かれ、検察は拘禁刑7年を求刑した。被告は「アルコールが抜けていないだろうと分かっていた」と述べており、少なくとも5年前から業務中に常習的に飲酒運転を繰り返していたことも明らかになった。亡くなった被害者の妹は「飲酒運転と殺人は何が違うのか」と意見陳述で悔しさを滲ませた。
缶チューハイ8本、その半日後にハンドルを握った

過失運転致死と酒気帯び運転の罪に問われているのは、福島県の運送会社の元社員、根本宏一被告(56)。
起訴状などによると、根本被告は魚津市の北陸自動車道を大型トラックで走行中、道路工事で規制されていた車線に突っ込み、工事車両に衝突するなどして、作業中だった富山市の長森清さん(当時57)と立山町の土肥純樹さん(当時36)の2人を死亡させたとされている。
6日に行われた初公判で明らかになったのは、その飲酒量の多さで、根本被告は事故を起こす半日前まで、アルコール度数9%の缶チューハイ500ミリリットル8本のほとんどを飲んでいた。さらに、少なくとも5年前から業務中に飲酒運転を常習的に行っていたことも明らかになった。
被告人質問で根本被告は、「アルコールが抜けていないだろうと分かっていた。事故直前のことは覚えていない」と述べた。
「過失運転は納得できない」 被害者遺族が怒りの陳述

裁判には、亡くなった土肥純樹さんの父と妹が被害者参加制度を通じて参加した。妹は法廷で意見陳述に立ち、「過失運転は納得できない。飲酒運転と殺人は何が違うのか。どんな刑罰に処されたとしても許すことはできません」と語った。
被害者参加制度は、犯罪被害者やその遺族が刑事裁判に直接参加できる仕組みであり、遺族が自らの言葉で怒りや悲しみを訴えることができる。
検察は7年求刑、弁護側は寛大な判決を訴え

裁判は即日結審した。検察は、事故時に検出されたアルコール濃度が呼気1リットルあたり0.4ミリグラムと高かったこと、そして飲酒運転が常習的であったことを重く見て、拘禁刑7年を求刑した。
一方、弁護側は、根本被告が勤務先の運送会社を自主退職し、退職金の受け取りも辞退するなど深く反省していると主張し、寛大な判決を求めた。
判決は今月20日に言い渡される予定。2人の命が失われた事実と、5年以上にわたって繰り返していたという常習的な飲酒運転を、裁判所がどう判断するかが注目される。
(富山テレビ放送)

