富山県高岡市に、1日100〜150匹もの動物が訪れる人気の動物病院がある。北陸よつや動物医療センター(高岡市四屋)だ。今年8月にリニューアルオープンを果たし、MRIやCT、ICU、放射線治療などの設備を一気に整備した。その背景には、「一匹でも多くの動物の命を救う」という獣医師たちの強い思いがある。

診察室8部屋、MRI・CTも完備 北陸の"動物総合病院"


リニューアルした院内には診察室が8部屋設けられ、内科や皮膚科といった複数の診療科に加え、特別な資格を持った獣医師による専門診療も実施している。犬や猫はもちろん、トカゲなどのエキゾチックアニマルも診察の対象だ。


設備面では、人間の医療と同等のMRIやCT検査機器を導入。ICUや放射線治療の体制も整え、診察から高度な治療まで一貫して行える環境を実現した。8年間通い続けているという飼い主は「設備が整っていて先生も沢山いるのでずっと通っている」と話す。
生後8か月の猫、手術後の抜糸に「先生が大事に接してくれる」

リニューアルオープンから間もないある日、午前9時の診察開始とともに多くの飼い主が待合室を埋めた。

最初にやってきたのは、生後8か月のマンチカンのトロロちゃん。先月末に避妊手術を受け、この日は抜糸のために訪れた。担当した渡辺悠哉獣医師は「綺麗ですね。特に炎症とかも起こしていないので、このまま抜糸します。大丈夫、すぐ終わるよ」と飼い主にもトロロちゃんにも優しく声をかけて、丁寧に糸を取り除いていった。

「先生もすごい猫のことも大事に接してくださるので、いいところだなと思っています」とトロロちゃんの飼い主は笑顔で語った。
外耳炎に悩む5歳のブルドック CT画像で状態を確認し根本治療へ

続いて訪れたのは、氷見市で暮らす5歳のブルドック、りょうちゃんだ。以前から外耳炎に悩まされており、内科での投薬治療を続けてきたが改善が見られなかったため、この日は手術に踏み切ることになった。

外科部長の藤本正紀獣医師はCT画像を用いて飼い主に状況を説明した。「右と左でだいぶ違うので、こっちは耳の穴が道が通っているけども、こっちは通っていない状態なので」。炎症によって耳の状態が左右で大きく異なることが画像からも明らかだった。「今繰り返している外耳炎を根本から解決するような手術になります」と藤本外科部長は説明し、りょうちゃんを預かった。


午後3時ごろから手術の準備を開始。外部から招いた専門の獣医師とともに使用する器具や手順を入念に確認し、約30分の準備を経て手術が始まった。

後日、内科部長の元尾空志獣医師がりょうちゃんのもとを訪れた。「手術自体は順調に成功して今は回復してきています。きのうご家族の方が面会に来られてお父さんも喜ばれていました。飼い主に喜んでいただけるとこちらとしても治療した甲斐があったと思う」と目を細めた。
「東京の大きな病院と同じことを富山でも」 院長が描く未来
リニューアルを経て診療の幅を大きく広げた同センター。和田章秀院長はさらなる高みを見据える。

「人間の家族だったらこういうのをやるのになっていうのがこれまでたくさんあったと思うが、それにできるだけ近づいてあげられるのかなと思っている」と和田院長は話す。そして「東京で大きな病院に行っても富山でうちの病院に来ても同じことができる病院にしたい」と力強く語った。
北陸にいながら最先端の動物医療を受けられる環境を整えるという、獣医師たちの志。きょうも一匹でも多くの命を救うための診療が続けられている。
(富山テレビ放送)

