食欲の秋、ちょっと罪悪感を感じながらも食べたいという気持ちを優先したい人に届けたい情報がある。富山県内に、そんな背徳感を堂々と売りにした名物メニューを持つ食堂が2軒ある。「炙りチーズ」がとろける味噌豚丼と、蓋が閉まらないほどの500グラム角煮重——どちらも一度見たら忘れられないビジュアルだ。
お皿を覆うほどの肉とチーズ——射水市「食堂かわひがし」の幻の味噌豚丼


富山県射水市にある「食堂かわひがし」の名物は、「まぼろしの味噌豚丼」だ。寒くなる季節に特に人気を集めるのが「炙りチーズ」仕立てで、皿を覆いつくすほどの肉とチーズが目に飛び込んでくる。


肉はバラ肉とロース肉の2種類。味噌だれにじっくりと漬け込んだ後、一度フライパンで焼き、さらに炭火で香ばしく仕上げる。店主の川東昂平さんは「炭火焼きにすることで余分な脂を落として、バラ肉とロース肉で厚さを変えている。それぞれの肉の特徴を生かした丼になっています」と語る。仕上げにたっぷりのチーズをのせてバーナーで焦げ目をつければ、「幻の味噌豚丼 炙りチーズ」の完成だ。

味噌ベースの甘いたれが肉にしっとりと染み込み、炙ったチーズが罪悪感と背徳感を一層引き立てる。川東さんがこの丼を生み出した背景には、富山への強い思いがある。「富山県の米が日本で一番うまいと思っていて、水も綺麗な富山で。その米に合う丼を考えたくて、この味噌豚を作りました」。


店名に「食堂」と付けたのも、地域への想いからだ。「いろんな人が来やすいように、この地域が好きなので、地域に根付くような食堂になっていければ」と川東さん夫婦は話す。丼のサイズは小から特大まで4種類が用意されており、食べ残しが出ないよう工夫されている点も有難い。

蓋が閉まらない500グラムの角煮重——富山市「初光」の木曜限定メニュー


富山市寺町の古民家で夫婦が営む「旬香酒豚 初光(はつみ)」。2人のTシャツも目を引くが、メニューも豪快だ。木曜限定の「角煮重」は、お重の蓋が閉まらないほどの角煮がどっしりと鎮座している。その重さ、なんと1個500グラム。


肉の味を決めるのは、継ぎ足しで使い続ける「秘伝のたれ」だ。毎日2時間煮込み、それを4日間繰り返して旨味をしみ込ませる。店主の木谷光男さんは「甘すぎないようにして、かつおだしなどをしっかり入れているが、肉の旨味がしっかり出るようにしています」と話す。お重いっぱいのご飯に秘伝のたれをたっぷり染み込ませ、その上に500グラムの角煮を乗せれば完成だ。脂身はとろりとやわらかく、肉には味が深く染み込んでいる。


なぜこれほどの大きさで提供するのか。光男さんはこう語る。「お店の場所が場所なので、こういうところまでわざわざ食べに来てもらえるのはありがたい。せっかく来てもらったので、満足に帰っていただければな、と。気持ちがちょっと量になったというか」。妻の初美さんも「みんなに腹いっぱいになって、笑顔になって帰ってもらったら一番いい」と笑顔で話す。
食べきれない場合はお持ち帰りOKで、店にはラップが用意されている。容器持参で訪れる常連客も多いという。

背徳感の向こうに、地域への愛がある
2軒に共通するのは、ボリュームと味へのこだわりだけではない。富山の米や水、そして地域のコミュニティを大切にしながら、「来てくれた人に満足して帰ってほしい」という真摯な思いが、それぞれのメニューに込められている。罪悪感を感じながらも箸が止まらない——そんな「背徳グルメ」の奥には、作り手の温かさがある。食欲の秋、店へ足を運んでみてはいかがだろうか。
(富山テレビ放送)

