能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県珠洲市大谷町。この地で学ぶ全校児童生徒わずか5名の小中学校が、復興への願いを込めたプロジェクトに挑んでいる。地元大谷地区の素材を使った手作りチャームを販売する通称“大谷ガチャ”だ。これまで全国各地での出張販売で地域の魅力を伝えてきたが、第3弾では「大谷に足を運んでもらう」ことを目指し、地元での常設販売を開始する。小さな学校の大きな挑戦が、被災地に新たな人の流れを生み出そうとしている。
“大谷に来てほしい” 全校生徒5人の願い
能登半島の最北端に位置する石川県珠洲市大谷町。珠洲市立大谷小中学校は、2012年に県内初の小中一貫校としてスタートした。能登半島地震を経て、23人いた児童生徒は5人にまで減少した。厳しい現実を前に、子どもたちは自ら立ち上がった。「珠洲市の復興のために自分たちにできることがしたい」。その純粋な想いから、「OHTANI CHARM(オオタニチャーム)」プロジェクト、通称“大谷ガチャ”は生まれた。
プロジェクトは、地元大谷地区で採れたシーグラスや貝殻などを使った手作りのアクセサリーをカプセルトイに入れ、ガチャガチャで販売するというもの。その収益は、能登半島被災地へ寄付される。単なる商品販売ではなく、多くの人々に大谷地区の魅力を伝え、復興へとつなげる仕組みを子どもたち自身が考え出したのだ。
全国での出張販売から「地元常設」へ
これまでの第1弾、第2弾では、まず大谷地区の魅力を広く知ってもらうため、金沢、東京、東北、関西など、全国各地にマシーンを設置して出張販売を行ってきた。時には子どもたち自らが店頭に立ち、訪れた人々に商品の魅力や大谷地区への想いを直接伝えた。こうした活動は大きな反響を呼び、プロジェクトの知名度を高めることにつながった。
そして迎える第3弾。プロジェクトは新たなフェーズへと移行する。これまでの反響を受け、今度は「“OHTANI CHARM”を買うために、大谷地区に足を運んでもらうこと」を目標に掲げたのだ。その実現に向け、珠洲市内の「道の駅すず塩田村」にカプセルトイのマシーンを常設することが決定した。2026年10月5日(月)から、ついに地元での販売が本格的にスタートする。常設に先立ち、9月2日には修学旅行先の東京で9年生の生徒1名がPR販売を行い、地元での販売開始を力強くアピールした。
心を動かす「キャッチコピー」という“お守り”
第3弾の“OHTANI CHARM”には、特別な想いが込められている。第2弾の商品の中で特に好評だったのが、子どもたちが自ら書いたキャッチコピーをデザインに取り入れたものだった。その反響を受け、今回は全ての商品に、5人の子どもたちとプロジェクトを共に推進する教職員が書いたキャッチコピーが添えられることになった。
大谷地区で日々を暮らす彼らの手から生まれた言葉は、力強く、そして美しく、見る人の心を前に向かせる力を持つ。商品名である「OHTANI CHARM」には2つの意味が込められている。「私たちが愛する大谷の魅力(CHARM/チャーム)が、あなたのお守り(CHARM/チャーム)になりますように」。シーグラスや貝殻といった物理的な“チャーム”だけでなく、そこに添えられた言葉もまた、手にした人にとって心の“お守り”となることを願っているのだ。商品は全4種で、価格は各500円。
企画から制作、販売準備、そして設置まで、全てに子どもたちが主体的に関わっている。被災地の子どもたちが始めた小さなガチャガチャは、多くの支援の輪を広げながら、今、地域復興の大きな希望の光になろうとしている。
(石川テレビ)

