2024年元日に発生した能登半島地震と同年9月の奥能登豪雨で、二重の被害を受けた石川県輪島市町野町。輪島市の中心部から町野町へは車で約40分離れており、いわば「別の町」だ。この町野町に唯一のスーパーが“もとやスーパー”だ。大きな二度の災害の経験を生かして、2027年春、全国的にも珍しい“宿泊できるスーパーマーケット”として生まれ変わる。経営者はどんな未来を思い描いているのだろうか。
二度の災害に見舞われた町野町・もとやスーパー
もとやスーパーは2024年元日に発生した能登半島地震で被災。町内の家屋や建造物は全半壊が相次ぎ、周辺の幹線道路は損壊。崖崩れで道路がふさがれたことで町野町は一時孤立した。
さらに追い討ちをかけたのが同じ年の9月に発生した奥能登豪雨。店に濁流が押し寄せる壊滅的な被害を受けた。

町にただ一軒のスーパーは地域住民の生活基盤であり、コミュニティの中心なのだが…。
その後、ボランティアの力も借りて2024年11月、店舗の一部スペースを使っての営業再開に漕ぎ着けた。
新業態「MOTOYA BASE」(もとやべーす)とは
2027年春のオープンを目指して店舗の改装が始まる輪島市町野町のもとやスーパー。8月26日(水)にスーパーで行われた安全祈願祭には、市の担当者や建築関係者など約60人が参列した。
もとやスーパーは、全国的にも珍しい宿泊できるスーパーマーケット「MOTOYA BASE(もとやべーす)」として生まれ変わる。
もとやスーパーの本谷一知社長は「不安とか虚無感というのが今年に入って余計感じるようになってきました。今の能登に大切なのは希望です。ひょっとしたらこの能登が、この町野町が面白い街になるのではないか。希望の連鎖を伝達していければいいなと思っています」と思いを語った。
町野町の拠点スペースとして生まれ変わる!
被災後、本谷社長が構想を進めてきた「MOTOYA BASE」。総工費2億円をかけ現在の建物を改修し、80人が宿泊できるスペースを確保する。
建物中央には宿泊の受付や食品の加工などすべての部門を集約した大型カウンターを作り、交流拠点としての再出発を目指す。

本谷社長:
心は何度も折れてここまで来ましたけども、やっと本当にやるんだという形を住民に知らせることができたというのは、やっぱり嬉しいですね。「ただいま」「おかえり」「いらっしゃいませ」というよりも、この能登の良さを体現できる事業形態にしていきたい。

新たな『MOTOYA BASE』は2027年春にオープンする予定だ。本来のスーパーマーケットの機能に加えて宿泊設備を整え、来館者がゆったりと交流できる全国でも珍しいスペースとして、町野町のコミュニティを支える施設になる。
(石川テレビ・8月26日放送)

