ゴルフ好きを驚かせる“飛びすぎる”ドライバー。
ヒットの秘密は思わぬところにありました。
厚さ、わずか0.4mmの“やわらか素材”を使ったドライバーは飛距離が大幅にアップ。
いま、異例のヒットを続けるミズノのゴルフドライバー。
その誕生の裏には、自社の“あるスポーツ用具”との意外なコラボがありました。
2026年、創業120年を迎えたスポーツ用品メーカー「ミズノ」。
そのミズノが3月に発売したのが、ゴルフドライバーの「JPX ONE」です。
ミズノ ゴルフ企画開発課・竹生一貴さん:
前作の6倍の売り上げになりまして、発表日から約2週間で予定の数量をオーバーするくらいの本当に大きなインパクトを与えてくれました。
人気の秘密はその飛距離。
一般的なアマチュアゴルファーの場合、従来のドライバーより平均で5ヤードから10ヤード飛距離が伸びるといいます。
このヒット商品の誕生には、様々な競技用品を手掛ける総合スポーツメーカーならではの強みがありました。
ミズノ 先行開発課・若子竜也さん:
ミズノエンジンという、3年前にできた新しい研究施設で勤務しているんですけど、それまではフロアが分かれていて、気軽に相談しにくい感じがあったんですけれど、今は同じ建物、ワンフロアで、そこでバットの担当の方から、「いまバットに使っている新素材が結構面白いので、ゴルフクラブにも使ってみたらどうや?」と。
ヒントになったのが、ミズノが2002年に発売した軟式野球用のバット「ビヨンドマックス」でした。
ボールがあたる部分に使われているのは、弾力のある柔らかな素材。
従来の金属バットはボールが激しく変形するため、エネルギーを大きくロスするのに対し、ビヨンドマックスはバットの表面がやわらかく変形することで、ボールのつぶれ過ぎによるエネルギーのロスを抑え、より遠くに飛ばせるといいます。
このバットの技術をゴルフに応用し「JPX ONE」のヘッドに採用されたのが特殊な素材「ナノアロイ」です。
従来のチタンフェースに比べて、ナノアロイフェースはフェース全体がたわむことでエネルギーロスを抑え、従来よりも速いボール初速を生み出します。
様々な実験を繰り返して生まれたこのドライバー。
試し打ち用のロボットで実際に一般のドライバーと「JPX ONE」を打ち比べ、コンピューターによる解析で2つのクラブを比較すると…。
ヘッドスピードは「JPX ONE」の方がわずかに遅かったにも関わらず、飛距離は10ヤード以上アップしていることが分かります。
この日の実験では従来のドライバーと比べ、「JPX ONE」の方が平均10.7ヤード飛距離が伸びていました。
ミズノ ゴルフ企画開発課・竹生一貴さん:
今回、ビヨンドマックスという我々の野球の技術からうまく転用した。野球ファンの方々が多くゴルフショップに来場して、実際に試打して、そこで「飛距離、飛ぶね」と言っていただいて。
ミズノ 先行開発課・若子竜也さん:
今回、野球のバットのテクノロジーを応用して、商品を生み出しましたけれど、他のスポーツや、例えば、シューズとかアパレルとかいろんな商品作っていますので、そこからアイデアをいただいて、また皆さまが驚くような商品を作っていきたい。
「JPX ONE」は公式戦でも使用可能で所属プロも使っているということです。
部署の縦割りをなくすことで生まれた“飛びすぎる”ドライバー。
次はどんなアイデアで新たなヒットを飛ばすのでしょうか。
