イギリス王位継承順位2位のジョージ王子は8日、名門イートン・カレッジに進学した。
父のウィリアム皇太子と叔父のヘンリー王子も学んだ学校で、ウィンザー城からテムズ川を挟んだ場所にある。
王子にとって、父や叔父が歩んだ道をたどるとともに、親元を離れて暮らす大きな節目となる。
600年近い歴史 学費は年1400万円
イートン校は1440年、国王ヘンリー6世によって創設された。

およそ13~18歳の男子約1350人が学ぶ全寮制で、校内には25の寮があり、それぞれ55人ほどの生徒が生活する。
入学時から全員に一人一部屋の個室が与えられ、授業だけでなく、食事や課外活動を含めた共同生活そのものが教育の一部となっている。
学費も桁違いだ。年間6万5673ポンド(基本学費のみ)、日本円で約1400万円となる。
卒業生には、デービッド・キャメロン氏やボリス・ジョンソン氏などイギリスの歴代首相20人も名を連ねる。
愛子さまも参加されたサマースクール
皇室にも、イートン校との縁がある。愛子さまは学習院女子高等科2年だった2018年夏、学校の海外研修として「イートン・カレッジ・サマースクール」に参加し、約3週間にわたり滞在された。
当時16歳だった愛子さまは、街に出て買い物をした際、慣れない現地の紙幣に戸惑われることもあったという。

そうした日常生活も含めてイギリスを満喫し、「はじめは少し不安もありましたが、すべてが新鮮で、また日が経つにつれて英語の授業にもなれ、各地での見学やイートン・カレッジの生活を通じてイギリスの文化、歴史、社会に触れることが出来、とても楽しく充実した滞在になりました」と感想を残されている。
王族であっても「ただの生徒」に
1784年創業の老舗制服店「トム・ブラウン・テイラーズ」。

店主は1970年代からイートンの制服を見続けてきた。
イートンの象徴は、黒いえんび服にベスト、ストライプのズボンを合わせる伝統の制服だ。

現在の形は1850年ごろから続き、それ以前は赤や青、緑など、色もばらばらだったという。
そんな制服を着れば、王族も一人の生徒だ。

店主は「ヨーロッパ各国の王子もいるが、誰が王族なのか見分けられない。ここではみんな、ただの男の子です」と話す。
父ウィリアム皇太子も務めた「ポップ」
イートンには、もう一つ独特の伝統がある。最上級生の中から選ばれる生徒代表組織「ポップ」だ。選ばれた生徒には一般の生徒とは異なる服装も認められる。
店内には、色鮮やかなウエストコートが並んでいた。
ラグビーシャツを仕立て直したものや、鮮やかな柄のものもある。
ポップの生徒は白い蝶ネクタイやウイングカラー、銀色のボタン、千鳥格子のズボンなどを身につけることができるという。
「とてもカラフルですよ。生徒たちが何を着ているのか見たら、驚くと思います」

父のウィリアム皇太子も、イートン在学中の1999年にポップに選ばれている。
ジョージ王子も数年後、父と同じポップに選ばれる日が来るのだろうか。
「本当に好きなもの」を見つける場所
制服店からほど近い古書店にも、イートン生たちの日常があった。

店には、ディケンズやシェイクスピアなどの古典、希少な初版本、ウィンザー城やイートンを描いた版画、過去の生徒の名前が記された古い名簿などが並ぶ。

新入生の中には、入学すると小さな聖書を買いに訪れる生徒もいるという。
店内にあるピアノを弾きに来る生徒も多く、「プロのピアニストのように弾く生徒もいる」と店長は驚く。

店長の息子もイートンの卒業生だ。入学したころはスポーツが得意で、バイオリンにも打ち込んでいた。しかし学校でさまざまな分野に触れる中、次第にデザインに夢中になった。

「イートンは、自分が本当に好きなものを見つける機会を与えてくれます。たくさんの選択肢があって、その中から自分の心が本当に向かうものを見つけられるんです」

王族も、世界各国から集まった生徒も、同じ制服を着て寮で暮らし、それぞれが好きなことを探していく。
父と叔父が過ごしたイートンで、ジョージ王子はどんなものに夢中になり、どんな少年へと成長していくのだろうか。

