サッカーワールドカップの観戦で実現した、天皇皇后両陛下とオランダ国王夫妻の歴史的な一枚。

その写真で、国王夫妻のすぐ隣に写り込み、じっとカメラを見つめていた一匹の白い犬がいた。オランダ王室の愛犬、マンボである。
マンボは2021年、国際動物の日に「王室の新しいメンバー」として紹介された犬で、現地メディアでは白いトイプードル、あるいはプードルミックスと報じられている。王室フォトセッションではたびたび主役級の存在感を見せ、いまや王室の“愛されキャラ”だ。
主役さらった“トイレタイム”人気決定的に
その人気を決定づけたともいえる出来事があった。
2024年11月、オランダ王室はアムステルダム中心部の歴史的な中庭「ベギンホフ」で、恒例のフォトセッションを行った。
観光名所としても知られる場所で、国王一家が笑顔で並ぶ格式ある家族写真――になるはずだった。ところが、その主役の座をさらったのはマンボだった。
撮影の最中、マンボが突然“トイレタイム”。
思わぬハプニングに国王一家は大笑い。現地メディアは「王室フォトセッションの主役をさらった愛犬マンボ」と伝えた。
1983年に憲法改正、男女問わず第1子が王位継承者に
写真をよく見ると、顔を覆って笑っている人物がいる。三姉妹の長女で、王位継承者のカタリナアマリア王女である。
アマリア王女は2003年生まれ。2001年生まれの愛子さまとは同世代で、幼いころから交流がある。
2006年、当時の皇太子ご一家がオランダで静養された際には、ヘットロー宮殿で愛子さまとアマリア王女が一緒に過ごし、手をつないで歩く姿も記録されている。
その愛子さまは現在、日本赤十字社の嘱託職員として勤務しながら、公務にも臨まれている。アマリア王女もまた、未来の女王として学業と公務への歩みを進めている。
オランダでは、かつて男子優先で王位が継承されていた。しかし1983年の憲法改正で男女平等の継承制度が導入され、現在は男女を問わず第1子が王位継承者となる。
そのため、国王夫妻の長女であるアマリア王女は、将来の女王となる立場だ。
男子学生が王女を飲みに誘うと…
現在はアムステルダム大学で法学などを学んでいる。大学で学生たちに話を聞くと、「王女というより普通の学生」という声も聞かれた。
同じ大学の女子学生は、「彼女は王室がどうあるべきかを示す良い例だと思う。地域社会のために活動し、教育にも力を入れている。良い未来の女王になると思う」と話す。
アマリア王女は学業だけでなく、軍事訓練にも取り組んでいる。
将来の国家元首として、学生生活と王位継承者としての責務を両立させる日々を送っているのだ。
そんなアマリア王女の素顔が垣間見えるエピソードもある。
同じ講義を受けていた男子学生が、思い切って王女を飲みに誘ったことがあったという。
すると返ってきたのは…。
「3つのコースを抱えていて、とてもストレスがたまっているの。
飲みに行くことはお断りしないといけないわ😅
また今度、大学で会いましょう」
というメッセージ。しかも絵文字付きだったという。
男子学生は後に「とても礼儀正しく断られた」と振り返った。
未来の女王でありながら、大学では一人の学生として学び、時には同級生から飲みに誘われることもある。そして、その隣にはいつも王室の空気を和ませる愛犬マンボがいる。
格式と親しみやすさ。その両方を体現しているのが、いまのオランダ王室なのかもしれない。
(FNNロンドン支局長 髙島泰明)

