政府は去年放出した備蓄米のうち21万トン分を買い戻す方針だ。新米の価格低下が懸念される中、農家からは遅い政府の対応や不安定な相場に不満の声が上がっている。コメづくりへの不安を抱く農家も少なくない。
21万トン分の備蓄米を買い戻しへ
政府は去年、コメの供給不足や価格高騰などを受けて計59万トンの政府備蓄米を放出し価格の安定を図った。

ところが、コメの民間在庫は今年6月末時点で過去最大の243万トンまで膨らみ、価格が下落。新米への影響も懸念されている。

政府は9月2日、コメの価格の安定などについて話し合う有識者会議を開いた。去年産のコメ、21万トンを備蓄米として買い戻す方針だ。
「安いのが新米というのはきつい」
この政府の方針に対し、農家からは対応の遅さに不満の声が上がっている。

コメ・麦・大豆を栽培する農家
「(政府の対応は)後手も後手。今になって20万トン買う話をしている。価格を安定(させてほしい)、(価格が)下がらないようにしてほしい」

アスパラガス・コメを栽培する農家
「売られている米の値段が安いのが“新米”というのはちょっときつい。だったら、さっさと(買い戻し)すればよかったのに」
「末端農家の気持ち分かっていない」
また農家からは不安定なコメ相場に対する厳しい声が上がっている。

コメ・麦・大豆を栽培する農家
「そういう調整の仕方(買い戻し)が本当に末端の農家の気持ちをわかっとらん」
コメが高騰した去年の“米騒動”から一転、今年は新米の価格が下落。コメ作りに力を入れようと考えていた農家の意欲を削ぐ状況にもなっている。
”田んぼの縮小”を考える農家も
イチゴ・コメを栽培する農家
「(政府がコメを)買い支えたって言われると、それもちょっと農家からすると違うんじゃないかな。それを当てにコメづくりを考えていくことは難しい」

「(去年は)コメの方を頑張ったほうがいいんじゃないかと周りの人からも言われていたが、(価格が)おととし並み、その前の年並みぐらいまで下がってくると、田んぼは縮小できたらと思っている」

不安定なコメ相場は将来の農業を担う農家の不安を募らせ、コメの安定供給と食糧安全保障にも影響してくる問題だ。長期的なビジョンを見定めた農業政策が求められている。

