高齢者が人口の約半数を占め、食料品店もない地域に、移動スーパーが届いた。「一品買いに行くには、お店に行くのも大変」——そんな住民の声が、大手コンビニを動かした。
9月3日、鹿児島県鹿児島市の直木町と入佐町からなる東昌校区で、セブンイレブンによる移動販売サービス「セブン安心お届け便」がスタートした。
食料品店ゼロ、住民の半数が65歳以上
東昌校区は、地域内に食料品などを扱う小売店がまったくない。さらに、人口の約半数が65歳以上の高齢者で占められており、自力での買い物が難しい住民が少なくない状況だ。
こうした課題を受け、「買い物に行けない」という声を上げた地域住民が自らセブンイレブンへ協力を依頼。その働きかけが実を結び、今回の移動販売の実現につながった。

約400点が毎週木曜日に並ぶ
移動販売は毎週木曜日に実施される。パンや菓子、サンドウィッチといった食料品から日用品まで、あわせて約400点の商品がラインナップされる。

この日を待ち望んでいた住民たちは、次から次へと商品を手に取り、かごに入れていった。
「きょうも牛乳やお肉がなくて、一品買うためにお店に行くのも大変。移動販売が来てくれるのは助かる」と、ある住民は話す。

別の住民は「昔は1軒あったけどもうないから、夜遅くなったときなど買い物ができなかったりする。この時間に来たら買えるので助かります」と語った。奥さんへの買い物も忘れなかった。
「見守り活動」も兼ねた取り組みに
東昌校区社会福祉協議会の原口信博会長は、この事業の意義をこう語る。
「買い物弱者を支援できたら。引きこもりや高齢者の見守り活動が重要で、こうした場を設ければ見守り活動も一緒にできるのではないかと考えて事業を起こした」
買い物の場を確保するだけでなく、住民同士が顔を合わせる機会を生み出す場としての役割も担っている。移動スーパーの訪問が、地域のつながりを守るための新たな手段となりつつある。
【動画で見る▶コンビニの移動販売サービス開始 買い物困難地域に新たな試み【鹿児島】 】

