豪雨災害から1週間が経過した富山県氷見市では、いまだ19世帯26人が孤立した状態にある。接骨院は診療再開の目途が立たず、材木店では機械修理費が1億円を超える見通しだという。「一番つらいのは地域の患者さんを診れないこと」—現場では住民たちが懸命に片付けを続けながら、先の見えない復旧に向き合っている。

孤立解消は8日ごろの見込み、作業は難航

氷見市上原地区に続く市道では、3日からようやく土砂の撤去作業が本格化した。しかし、朝に降った雨の影響で土砂に水分が多く含まれ、作業は難航している。
3世帯4人が暮らす上原地区では、孤立の長期化を心配する周辺住民の声も上がっている。
「きのうもドローンで物資を運んでいるところを見た。できることがあったら助けに行きたいが、うちもこんな状態なんで…」と、近隣の住民は複雑な思いを語った。

氷見市は、床鍋地区を含め、今月8日ごろの孤立解消を目指している。
接骨院、診療再開の見通し立たず
氷見市大浦にある竹接骨院では、今回の豪雨で床上浸水の被害を受けた。浸水は30分足らずで膝上の高さまで達したという。竹秀樹院長はこの8日間、休まず片付けに追われてきた。


現在は親戚などの協力を得ながら、ベッドや壊れた医療機器などを倉庫へ移動させている最中だが、診療再開の目途はたっていない。

「この8日間、全然休まずに全部片づけた。大変、本当に大変」と竹院長は振り返る。そして「一番つらいのは地域の患者さんを診れないこと。何とも言えない」と、患者への思いも口にした。
材木店、機械修理費1億円超の見通し
万尾地区の岸田木材でも深刻な被害が出ている。木材加工に必要な機械や材木が水没し、水没した材木は廃棄せざるを得ない状況となった。木材加工機械の修理費は1億円を超える見通しだという。


岸田真志代表は「一番ひどかったのは工場。工場の機械がほぼ水没した。その復旧にかかっている」と話す。一方で、フォークリフト5台が水没するなかでも、大工や同業者が機材を貸し届けてくれるなど、地域のつながりに助けられた面もあると語った。
「とりあえず前を向いてやっていこうと。やったら、かなりきれいになった。フォークリフトも5台水没したが、大工さんから借りたり、同業者が届けてくれたり、かなり助かった」
浸水・土砂崩れ・農業被害、広範囲に及ぶ
県によると、浸水被害は氷見市で539件、高岡市で76件にのぼる。土砂崩れは氷見市で33カ所、高岡市で1カ所が確認されており、氷見市では住宅1件が全壊、6件が半壊した。


農業への打撃も大きい。田んぼの冠水被害は氷見市を中心に合計513ヘクタール、稲の倒伏被害は486ヘクタールで確認されている。さらに、ワインの原料となるブドウやそば、白ネギ、キャベツなども被害を受けており、地域の農産物全般にわたって影響が広がっている。
(富山テレビ放送)

