東京商工リサーチによりますと、富山県魚津市で清酒「北洋」などを手掛けてきた魚津酒造が、8月31日付で事業を停止しました。2022年のM&Aを経てリブランドに取り組んでいた矢先、社長の急逝と原材料価格の高騰が重なり、100年を超える歴史に一区切りがつく事態となっています。

1925年創業、地域を支えた老舗酒造の歩み
魚津酒造のルーツは、1925年(大正14年)10月に本江酒造として設立されたことに遡ります。魚津市本江新町を拠点に、長年にわたって清酒の製造・販売を担ってきた地域の老舗で、主要銘柄「北洋」は、地元の人々に親しまれてきました。
M&Aを機に新ブランド「帆波」で再出発
東京商工リサーチによりますと、転機が訪れたのは2022年3月のことで、酒蔵の事業承継を専門に手掛ける日本酒キャピタルによるM&A買収が行われ、同社社長の田中文悟氏が経営に参画しました。
その後、製造設備や酒造工程の見直しを進めるとともに、アルコール添加酒から純米酒中心の商品構成へと転換。新ブランド「帆波」を立ち上げ、県外の日本酒専門店や百貨店、オンライン販売など販路の拡大にも積極的に取り組み、2022年12月には商号を現在の魚津酒造へと変更して新たなスタートを切っていました。
代表の急逝と原材料高騰が追い打ちに 事業承継先が見つかるかが今後の焦点

しかし、再建への歩みが進むなかで、今年4月2日、代表取締役を務めていた田中文悟氏が事故により急逝しました。後継者を失った経営体制に、さらに原材料価格の高騰が続いたことで、今回の事業停止という判断に至ったということです。
現在、同社は事業承継先の探しており、承継先が見つかった場合には事業を再開できる可能性があるとしています。債権・債務については、財務状況および今後の方針を踏まえて検討中とのことです。
事業承継先が見つかるかどうかが、今後の焦点となります。
(富山テレビ放送)

