道路交通法の改正により、9月1日から生活道路の法定速度が現行の時速60kmから30kmに引き下げられる。対象となるのは、センターラインや速度標識がない道路。福井県内では一般道路の約6割がこれに該当するとされており“いつもの道”が新ルールの対象になる可能性がある。知らないまま時速60kmで走れば制限速度を30km超えることになり、違反点数6点・免許停止の対象となる。
福井では人身事故の約1割が生活道路で発生
福井県内の生活道路では過去5年間、2021年には90件、2022年79件、2023年83件、2024年61件、そして2025年は88件と、毎年60件以上の人身事故が発生している。これは県内で発生している人身事故の約1割にあたる。
生活道路で歩行者や自転車の安全を確保し、交通事故の低減しようと法改正が行われた。警察庁によると、自動車の速度が時速30kmを超えると、歩行者の致死率が急激に上昇する。
時速20kmまでは0.6%、30kmまでは0.9%であるのに対し、30kmを超えて40kmに達すると3.0%と大幅に跳ね上がる。速度を抑えることは、事故を未然に防ぐだけでなく、万が一の際の被害軽減にも直結する。
具体的にどんな道路が対象になるのか、JAF福井支部の伊藤寛朗さんは、その見分け方のポイントを次の2つに整理する。
まず1つ目が、中央線・センターラインがないこと。そしてもう1つは、道路標識や路面に速度の表示がないことだ。
県内の一般道路の約6割を占めるのが、道幅5.5m未満の生活道路。普段、何気なく使っている近所の路地や住宅街の道が、今回の新ルールの対象となっている可能性がある。
実際に福井市内の対象道路を走ってみると、対向車がすれ違うのがやっとの幅で、対向車が道を譲り合う場面もあった。両サイドには住宅が並び、自転車や歩行者が通ると思わず身構えてしまう瞬間も少なくない。
「朝は、やっぱり危ない」住民の声
小学校に近い生活道路を日常的に利用する近所の住民からも、速度規制を歓迎する声が聞かれた。
「小学校があるから子供が通るから、速度は遅いほうがいい。事故が起きないでしょ、遅いほうが」と話すのは地元の高齢男性だ。
別の住民も「朝は、やっぱ危ないと思いますよ。ここは、事故が結構多いんですよ」と語り、通学時間帯の危険を訴える。
JAFの伊藤さんも「両サイドに家もあるし、小さな子供が飛び出して来る可能性は非常に高いので、30kmが妥当かな」と話す。歩行者の飛び出しに備えながら走ると、自然とその速度に落ち着くはずだ。
「生活道路は人が優先」という意識を
県警本部交通部交通規制課の清水昌樹さんは、生活道路を車で走る際の根本的な意識の変化を求める。
「大切なのは、その道を利用する人を思いやることです。いつもの道こそ、少しゆっくり、安全に、を意識してみてください」
9月以降、対象道路を時速60kmで走った場合、制限速度を30km超えることになる。この場合、違反点数6点が付き、免許停止の対象となる。
「いつもの道だから大丈夫」という感覚こそが、事故や違反の温床になりかねない。まずは普段使っている道路が新ルールの対象かどうかを確認し、速度と歩行者への注意をこれまで以上に意識した運転が求められる。

生活道路は、地域に暮らす人々の日常の場である。そこを走るすべてのドライバーが「人が優先」という意識を持てるかどうかが、事故件数の減少につながることになる。

