「すぐに別の病院に連れていって」
再びYさんから電話があった。
「2匹とも食べないし、食べても吐くから、もう痩せちゃって。
このままじゃ、死んじゃうわ」
その時、アッと思い出したことがあった。
知り合いで保護猫のボランティアをやっている人に相談してみようかとYさんに伝えると、即座に「お願い!」と。
そして、妻が電話すると、
「あなたたち、何をバカなこと言ってるの。
血液検査を何度もするお医者さんなんていません。
すぐに別の病院に連れていって。なんなら私が紹介するから」
電話の向こうで怒っていたというのだ。
新たな病院で下された診断
Yさんはその言葉に納得して、林檎と桃をその知り合いが教えてくれた病院に連れていった。
診断結果は、ウイルスによる胃腸炎。
すぐに薬を処方してくれて、林檎と桃はあっという間に回復し、ご飯も食べるようになった。
Yさんがため息をつく。
「一体、あの血液検査は何だったのかしら」
人間の検査漬けはよくあるが、このケースのように、猫に同じ検査を続けるなんて聞いたことがない。
検査、検査で治療費を稼ごうとしているのだろうか。
物言わぬ猫の病院選びには注意が必要だ。
峯田淳1959(昭和34)年山形県生まれ。コラムニスト。
埼玉大学卒業。フリーランスを経て日刊現代入社、芸能文化編集部長を経て編集委員。
退社後も「日刊ゲンダイ」の編集を含め執筆活動。編著に『おふくろメシ 80のごはんの物語』、著書に『旅打ちグルメ放浪記』など。

