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豊臣兄弟必勝の布石「陣城」とは何か。三木城・鳥取城・賤ヶ岳・備中高松城で秀吉と秀長が見た「勝者の景色」を歩く|FNNプライムオンライン

豊臣兄弟必勝の布石「陣城」とは何か。三木城・鳥取城・賤ヶ岳・備中高松城で秀吉と秀長が見た「勝者の景色」を歩く

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陣城を前進させて「王手」

ここまで見てきた通り、攻城戦でも野戦でも、大規模な合戦のキーポイントとなる陣城。実は長期戦となった場合、武将たちは必ずしも「ずっと同じ陣城にいた」とは限りません。争奪戦を経て敵の手に落ち、やむなく移動することもありますが、戦況に応じて自主的に場所を変えることもあります。

水攻めで有名な備中高松城攻めの際、秀吉ははじめ、本陣を竜王山陣におきました。敵の城から北東へ約2kmほど離れた、現在の最上稲荷の脇です。

竜王山陣から南西の景色
竜王山陣から南西の景色

秀吉はやがて戦況が自身に有利と見たのか、本陣を前進させます。今度は敵の城からわずか800mほど。まさに目と鼻の先です。

石井山陣からの眺め。田園地帯の中央の木立が備中高松城本丸
石井山陣からの眺め。田園地帯の中央の木立が備中高松城本丸

いわば、陣城を柔軟に移動して「王手」をかけたわけです。水攻めで城の周囲を水没させるだけでなく、自らの旗印を敵がはっきり見えるところに堂々と掲げる。備中高松城の戦いの勝利を呼び込んだのは、物理的のみならず、心理的なプレッシャーもあったに違いありません。

陣城とは、すなわち実戦を体現するような存在です。その地に立てばきっと、戦国時代の息吹を感じられるに違いありません。

今泉慎一(いまいずみ・しんいち)
古城探訪家。編集プロダクション・風来堂代表。著書に『戦う山城50』(イースト・プレス)『おもしろ探訪 日本の城』(扶桑社)など。

今泉慎一
今泉慎一

古城探訪家。1975年、広島県生まれ。編集プロダクション・風来堂代表。旅と歴史とサブカルチャーが得意分野。企画、編集、ライターから撮影までよろず担当。
山城を中心に全国の城をひたすら歩き続け、急勾配にげんなりしたり、水の手を発見して感動したり。ヤブコギは苦手。これまでに攻略した城は900以上。
著書に『戦う山城50』(イースト・プレス)『おもしろ探訪 日本の城』(扶桑社文庫)、監修書に『『山城』の不思議と謎』『日本の名城データブック200』(以上、実業之日本社)。
『織田信長解体新書』(近江八幡観光物産協会)など、地域密着濃厚型のパンフレット制作を担当することもある。

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