熊本地震の影響は被災地にとどまらず、鹿児島県内の経済にも波及しつつある。物流コストの増大、九州新幹線の運休、そしてこれからピークを迎えるお盆の観光シーズン——。九州経済研究所の専門家は「正常化するまで想定以上に時間がかかる可能性はみておかないといけない」と警鐘を鳴らしている。

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物流コストが急増、利益を直撃

最も深刻な問題として浮かび上がっているのが、物流への影響だ。

九州経済研究所の福留一郎経済調査部長は「福岡と寸断されている部分での影響はかなり大きいとみている」と指摘する。

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鹿児島県内で生産された農産物を福岡へトラックで運ぶ場合、従来のルートは使えず、現在は宮崎や大分を経由する迂回ルートを余儀なくされている。ドライバーの勤務時間は延び、人件費は増加する。燃料代もかさむ。さらに荷物の到着が大幅に遅れることで、取引そのものへの影響も懸念される。

「ただでさえ物価高騰の中、利益が小さくなる中で、さらに利益を削られる状況が出てきている。県全体への影響は大きい」と福留部長は語る。

お盆の観光シーズンを直撃、九州新幹線は運休が続く

さらに追い打ちをかけているのが、観光への影響だ。九州新幹線は熊本〜鹿児島中央間で運休が続いており、再開の見通しは立っていない。

2025年8月に鹿児島を訪れた宿泊客のうち、約半数を占める九州エリアからの内訳を見ると、福岡が24%、熊本が9.3%と、九州エリア全体の3分の1をこの2県だけで占めている。九州を縦断する主要ルートがほぼ機能していない現状では、鹿児島への旅行を断念する人や、消費マインドの低下が生じることも十分に考えられる。

「復旧需要の恩恵」も届かず、長期化の懸念

被災地では復旧・復興に伴う人やモノの動きが活発になるが、鹿児島はその需要の恩恵を受けにくい立場にある。福留部長は「鹿児島が直接的な影響がなかったからといって、影響が小さいかというとそうでもない」と述べ、鹿児島特有の難しさをこう語る。

「被災地では復旧復興の需要で人の動きや物の動きは割と早い。鹿児島は復旧、復興需要の影響はなかなか届かない。そこは注意しておかないといけない部分だ」

前回の熊本地震でも「年単位での影響を懸念する声が多かった」と振り返り、「想定以上に正常化するまで時間がかかる可能性はみておかないといけない」と警鐘を鳴らした。

直接の被害がなくとも、物流・観光・消費マインドと多方面から静かに忍び寄る経済的打撃。その全容が見えるまでには、まだ時間がかかりそうだ。

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鹿児島テレビ
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