こうした状況を受けて、2025年10月、OpenAIの動画生成AI「Sora」では、日本の有名アニメ作品をもとにした映像生成が制限される事態となった。リリース当初、SNS上にはアニメキャラクターが登場する動画が次々と投稿され、著作権を侵害しているとの批判が相次いだためである。

有名アニメの作風が生成AIによって映像生成されてしまう事態に(画像:イメージ)
有名アニメの作風が生成AIによって映像生成されてしまう事態に(画像:イメージ)

すでに多くの動画が生成・拡散されてしまった後での対応であり、完全に止めることは難しい。さらに、生成AIサービスの多くでは依然として日本アニメの作風を模した映像が容易に作成でき、同様の規制は設けられていない。

結果として、アニメ文化は国境を越えて“無断で再生産される資源”となりつつある。創作が持つ独自の文脈や感性までも、匿名のデータとして吸い上げられ、世界のどこかで新たな「日本風映像」が生まれていく。

アニメ風の画像も続々と

2024年には、生成AIが人気アニメのキャラクターにどこまで似た画像を生み出しているのかを追った調査報道も現れた。そこでは、画像共有サイトに投稿された約9万件のアニメ風画像を調べた結果、2500件超が既存作品に非常に近いと判断されたという。

細部にいくらか違いがあっても、全体として見れば元の作品の面影が濃く残る。そうした事例に触れると、どこまでが新しい創作で、どこからが模倣なのかという境界線は、もはや簡単には引けないことがわかる。

アニメは世界中で愛されているが、同時に「データ資源」として注目される対象にもなっている。海外では「ジブリ風のアート」を自動生成するAIツールが人気を集め、ユーザーが自撮り写真などの画像をアップロードする事例が広がっている。