非常に強い台風26号は。28日現在、沖縄の東を東北東へ進んでいます。
今後も速度は上がらず、ゆっくりと東へ進み、来月1日(木)ごろに関東の南の海上へ達する見込みです。
台風本体が接近する地域だけでなく、秋雨前線の活動も活発になるおそれがあり、東海から西でも広い範囲で雨の影響に注意が必要です。
南西諸島は高波・強風に警戒
台風26号に近い南西諸島では、うねりを伴った高波や強風に警戒が必要です。
台風の中心が離れていても、台風周辺で発生したうねりは遠くまで伝わります。このため沖縄地方では沿岸部を中心に海上のしけた状態が続く見込みです。
気象庁によると、28日に予想される波の高さは沖縄地方で7メートル、奄美地方で4メートルとなっています。29日も沖縄地方では5メートルの高波が続く見込みです。
また、28日の沖縄地方では最大風速25メートル、最大瞬間風速35メートルの非常に強い風、29日も沖縄地方では最大風速15メートル、最大瞬間風速25メートルの強い風が予想されています。
今後の進路や発達の程度によっては予想が変わる可能性もあり、海上や海岸付近では引き続き警戒が必要です。
加えて、台風本体による雷雨にも注意が必要です。発達した積乱雲が近づく兆しがある場合は、速やかに頑丈な建物へ避難するなど安全確保を心掛けてください。
ノロノロ台風の理由 「鞍部」で足踏み
台風26号は発生から数日が経過した現在も速度が上がらず、南西諸島付近をゆっくりと移動しています。
その速さは自転車並みとも言えるほどです。
台風が遅い理由は、周囲の気圧配置にあります。

現在の台風26号は、東西にある高気圧に挟まれる形となっています。このように高気圧と高気圧の間で風の流れが弱まる領域を「鞍部(あんぶ)」と呼びます。
台風は自ら進む力を持っているわけではありません。上空の風に流されながら移動するため、周囲の風が弱い場所では進路を決める力も弱くなります。
例えるなら、流れの速い川に浮かべた笹舟は自然と流されますが、水の流れがほとんどない場所ではなかなか動きません。現在の台風26号はまさにその状態で、鞍部の中で足踏みするようにゆっくり進んでいるのです。
秋雨前線の活発化 広範囲で雨警戒
今回特に注意したいのは、「秋雨前線の活発化」です。
台風は大量の暖かく湿った空気を持っています。通常でも前線付近へ湿った空気を送り込みますが、今回は台風の動きが遅いため、その供給が長時間続く可能性があります。
暖かく湿った空気が流れ込み続けることで前線の活動が活発になり、前線周辺では雨雲が発達しやすくなります。
現在の予想では、前線がかかる東日本から西日本の太平洋側で特に注意が必要です。
今後の前線の位置次第では、台風から離れた地域でも大雨となるおそれがあります。また、雨が降り続く時間が長くなり、総雨量が大きくなる可能性もあります。
特に、台風25号で大雨の被害を受けた地域では地盤が緩んでいるところがあります。普段なら問題のない雨量でも土砂災害が発生しやすくなっているため注意が必要です。
台風本体から離れているからといって油断はできません。最新の気象情報をこまめに確認し、土砂災害、河川の増水や氾濫、低地の浸水などへの備えを進めてください。
【執筆:フジテレビ気象センター・気象予報士 岡部茉莉】

