一方で、昔の火災保険の保険金額の契約は「時価」である可能性が高いです。時価とは、老朽化を加味した現状相当の金額のこと。建物を失った時点の再調達価額から経年劣化等による消耗分を引いた金額が保険金額になるので、元通りに再建するのが難しいケースが多いでしょう。
大規模な被害にあった場合、時価で契約していた場合には、すべての損害をカバーできない可能性が高いといえます。
さらに、インフレ傾向で建築資材が高騰していたり、家族構成やライフプランなどが変化したりして、当初契約した保険金額や補償内容では不十分な場合もあります。
わが家に合った火災保険の選び方
そこで、重要なのは、現在加入している火災保険の補償内容をしっかり理解して、今の状況に合った適切な保険に加入することです。
そして、保険料を抑えるためには、自分にとって必要な補償・不必要な補償を見極め、適切な保険に加入することです。これは、新規で火災保険に加入する場合にも重要なポイントです。
とはいえ、そもそも自分にとって必要な補償はどんな補償なのか、わからないという方も少なくないことでしょう。
火災保険を選ぶときに大切なことは、「自分が住んでいる地域の環境を考えて補償を選ぶこと」です。まずは、自治体が公表しているハザードマップを確認して自分が住んでいる地域にどんな災害が起きやすいのかを把握して、その災害が起きたときにカバーできる補償をつけるようにしましょう。
近年はとくに台風や豪雨などにより風災や水災による保険金の支払いが多くなっています。火災保険でも、風災や水災の備えは入念にしてもいいかもしれません。
反対に、明らかに不要な補償は外すことも検討しましょう。たとえば、雪がめったに降らない地域では、「雪災」の補償が外せる場合には、その必要性を見直してみてもよいでしょう。
また、車の通りの少ない郊外ならば「外部からの物体の落下・飛来・衝突」などの補償といった特約も外すことを検討してもいいかもしれません。先ほどもお話したように、近年、火災保険料は値上がりが続いているので、必要な補償だけを過不足なく用意して保険料を節約しましょう。
なお、火災保険には、基本的に必要な補償がセットされている「パッケージタイプ」と補償を自分で選択できる「自由設計タイプ」の2つがあります。自由設計タイプの方が必要な補償に絞れて保険料を抑えられます。
火事災害をはじめ、多くの自然災害が頻発している今、自分や家族の身を守るためにも、火災保険の知識を身につけ、適切な保険に加入するようにしましょう。
高山一恵(たかやま・かずえ)
(株)Money&You取締役/ファイナンシャルプランナー

