土用の丑の日を前に、全国でウナギ商戦が活発化している。シラスウナギが豊漁となった影響で供給が増え、6月の平均卸売価格は前年比で27%も下落。スーパーでは値下げに踏み切る動きが広がる。一方で、専門店ではコメや人件費の高騰がその下落分を打ち消し、価格を据え置いている。同じウナギでも、業他によって明暗が分かれている。

シラスウナギの豊漁で市場に出回る量が大幅増

福井市内のイオン「そよら福井開発」では、土用の丑の日を前に売り場の準備が着々と進んでいる。鹿児島県産のウナギの蒲焼を去年より500円安い価格で提供。さらに、特大サイズ以上のウナギを、全国で過去最多となる12万尾用意するという。

イオンでは全国で過去最多の12万尾を用意
イオンでは全国で過去最多の12万尾を用意
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背景にあるのが、シラスウナギの豊漁だ。シラスウナギとは養殖に使われるウナギの稚魚で、去年、豊漁となったことで、今年は市場に出るウナギの量も大幅に増えた。

シラスウナギの豊漁で市場に出回る量が大幅増
シラスウナギの豊漁で市場に出回る量が大幅増

豊洲市場における6月の平均卸売価格は去年比で27%下落。値下げの波が売り場に届きやすいスーパーにとって、今年の土用の丑の日は攻勢をかける好機となっている。来店客からは「安くなるなら食べたいですね」と期待の声も聞かれた。

「コメが10kgで3000円ほど値上がり」値下げを阻む他のコスト

一方、福井市内にあるうなぎ専門店「昼だけうなぎ屋福井店」。看板メニューの「富士うな丼(税込み5500円)」は、ウナギを丸ごと2尾使った見た目にも豪快な一杯だ。

山盛りウナギの「富士うな丼」は税込み5500円
山盛りウナギの「富士うな丼」は税込み5500円

その名の通り、ウナギが山のようにこんもり盛り付けられている。ウナギの身はふっくら、香ばしさも感じられ、旨味と脂が口いっぱいに広がる。専門店ならではの技術と素材へのこだわりが詰まった一杯だが、その裏側では経営的な苦悩もある。

ウナギの仕入れ値は去年と比べて5%ほど下がっているにもかかわらず、うな重の価格は据え置いている。

なぜ、ウナギの値下がりを価格に反映できないのか―

コメ価格の値上がりがうな丼を値下げできない要因
コメ価格の値上がりがうな丼を値下げできない要因

店長は、価格を据え置かざるを得ない理由をこう語る。「コメが10キロで3000円ぐらい値上がりしてるのが1番の要因。それに人件費も、去年に比べて最低賃金が上がった兼ね合いで3%ほど上がっている」

容器代や人件費も高騰
容器代や人件費も高騰

ウナギ以外にかかる、コメ・人件費・テイクアウト用容器代などが高くで推移しており、仕入れ値が下がった分をそれらのコスト上昇が飲み込んでしまっているのだ。

店長は「ウナギが下がってる分、値段に還元したいが…値段は据え置きのままにさせてもらっている」と苦渋の表情を見せる。

同じウナギでも…業態で明暗分かれる
同じウナギでも…業態で明暗分かれる

夏は「暑さで外で待てないから、テイクアウトして涼しい家で食べたいという需要が多い」という。夏の暑さがテイクアウト需要を後押しする一方で、容器代のコストも積み上がるという悩ましい構図がある。

福井テレビ
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