熱戦が続いた夏の高校野球新潟大会は、いよいよ決勝の1試合を残すのみとなった。勝ち上がったのは、春のセンバツ甲子園に出場した日本文理と帝京長岡。甲子園で悔しさを味わった2校が、今度は夏の甲子園への切符をかけてぶつかる。日本文理は序盤から主導権を握る打線、帝京長岡は投手力と機動力を絡めた終盤の勝負強さが持ち味だ。決勝戦の展望を紹介する。
【日本文理】“打の文理”は健在 チーム力で4年ぶり聖地へ
昨秋の新潟大会を制し、春のセンバツ甲子園に出場した日本文理。
甲子園では、初戦の高知農業戦で勝利し、15年ぶりの春1勝を挙げたが、2回戦では埼玉県の花咲徳栄に0―17と大敗を喫した。
守備からリズムを崩し、大量失点。武器にしていた打撃もわずか2安打完封に抑えられ、全国との差を痛感した。
今春の県大会もベスト8で敗れたが、チームは今大会に向けて調子を上げ、勝ち上がるごとに成長してきた。
4回戦では六日町の好投手・岡崎から10安打を放ち、コールド勝ち。準々決勝の北越戦では、序盤で北越のエース・五十嵐を攻略。
準決勝の新潟明訓戦も初回から集中打を見せて、一挙5点を奪い、有利に試合を進めた。
その打線を引っ張るのが、4番・吉田流太だ。渡部に代わって4番に座ったが、今大会17打数11安打で打率は6割超。
「つなぐ打線」と話すが、今大会では本塁打も放つなど勝負強さが目立つ。
そして、センバツでは崩れた守備面では5試合で失策はわずか2と安定している。
投手陣はセンバツ時のエースで今大会は背番号10の染谷が4試合に登板して自責点2。
渡部も救援で登板しているほか、1年生右腕の浅井の台頭も大きい。
去年、全国制覇を経験している浅井は、準々決勝の北越戦で先発し、7回を2失点に抑え、大舞台での強さを証明した。準決勝で温存できただけに、決勝での起用も注目される。
今大会は終盤まで競り合った試合がなく、序盤でリードを奪う展開が続いている。決勝戦も序盤から文理ペースに持っていけるかが大きなポイントと言えそうだ。
日本文理の勝ち上がり
2回戦 14-2(5回コールド) 柏崎常盤・総合
3回戦 18-5(7回コールド) 新発田農業
4回戦 8-0(7回コールド) 六日町
準々決勝 7-2 北越
準決勝 8-2 新潟明訓
【帝京長岡】守備から流れ 打撃力×機動力で夏初の聖地へ
昨秋の準決勝で日本文理にコールド負けし、北信越大会の決勝でリベンジを果たして初のセンバツ甲子園に出場した帝京長岡。
甲子園で悔しい思いを抱いたのは、日本文理と同じ。初戦で宮城県の東北高校と対戦し、1-5で敗れた。
中でもエースの工藤は、東北戦で初回から制球が乱れ、本来の力を出せずに降板した。
この悔しさを胸に、今春の県大会はベンチ入りせずにトレーニングに専念。球速は自己最速を更新する142キロまで伸び、今大会ではピンチでも動じない強気の投球を見せている。
18回3分の1を投げて奪三振は24。防御率は1.96。
準決勝は3年生左腕の西脇が好投し、工藤の投球数を抑えることもできた。決勝は万全の状態でマウンドに上がれそうだ。
昨秋は守備から流れをつくり、機動力を使って得点する機会が多かった印象だが、今大会は打撃でも力を見せている。
好調なのは、3番・富田で11安打のうち6本が長打。東京学館新潟戦では本塁打も放った。
準決勝では、4番・川村が逆転打にダメ押しの本塁打を放ち、指名打者や代打での起用が多い鳥丸も7打数6安打5打点と当たりに当たっている。
さらに機動力も健在で5試合で25個の盗塁を記録。足を絡めた攻撃で今大会好調の打者の前にどれだけのチャンスをつくれるかが決勝の大きなポイントとなりそうだ。
また、初戦、準々決勝・準決勝と終盤での得点力も高く、終盤勝負に持ち込めば、帝京長岡の展開となりそうだ。
帝京長岡の勝ち上がり
2回戦 7-3 長岡
3回戦 14-2(7回コールド) 新潟第一
4回戦 16-0(5回コールド) 新発田南
準々決勝 7-1 東京学館新潟
準決勝 8-1 新潟産大附属
結果的に点差をつけて決勝まで勝ち上がってきた2チーム。
日本文理が序盤から打線で畳みかけるのか、帝京長岡が守備と機動力で流れを引き寄せるのか。勝負どころで両監督がどのような采配を振るうのかも含め、試合終了まで目が離せない。
新潟大会の決勝は7月24日午前10時に行われる予定だ。

