熱戦続く夏の高校野球新潟大会。春のセンバツ甲子園に出場し、春夏連続甲子園を目指す帝京長岡は長岡高校との初戦に挑んだ。3年前にコールド負けを喫した相手に雪辱を果たし、初戦突破を決めた。
■帝京長岡 初戦の相手は“鬼門”長岡高校
圧倒的な打撃力を武器に春の県大会を制して第1シードで臨んだ2023年夏の帝京長岡。3回戦で対戦したのが長岡高校だった。
結果は、帝京長岡が0-9のコールド負け。序盤から攻守がかみ合わず、1点も奪うことができずに敗退した。
この試合を機に、打撃だけでなく、守備・機動力にも力を入れてチームづくりを進めた帝京長岡の芝草宇宙監督。
秋の北信越王者、そしてセンバツ出場校として挑む今大会初戦の相手が、3年前に苦杯をなめた長岡高校となった。

舞台は3年前と同じ長岡市の悠久山野球場。スタンドには多くの観客が詰めかけた。
帝京長岡だけでなく、長岡高校のスタンドにもブラスバンドや在校生などが駆けつけ、大きな声援を送り、独特の緊張感に包まれた中での試合となった。
「今までの中では結構集中して、初回から相手がどういうふうに出るかということを見ながらやった」と振り返る芝草監督の言葉の端々からは、この試合にかける思いの強さがうかがえた。

■帝京長岡 先制点奪うも逆転の2点本塁打許す
試合は初回、長岡の失策を見逃さなかった帝京長岡が先制点を奪う。
しかし、2回裏、長岡の6番・村山が帝京長岡のエース・工藤のストレートを捉え、レフトへの2点本塁打を放ち、逆転に成功する。
3年前の再現を期待し、長岡の1つ1つのプレーにスタンドがざわつく球場。
帝京長岡は4回に同点に追いつくが、残塁が目立ち、思うように得点を重ねることができず、試合は2-2で終盤へ。

■「ギア上げた」奮起した帝京長岡 長岡打線を抑え追加点奪う
緊迫した試合展開でも芝草監督は慌てることはなかった。
「6つ勝つには、必ずどこかでこういう試合があるという話もした。2-2のときに、こういう試合をものにしないと力もつかないという話をしてから、選手たちが奮起してさらにギアを上げてくれた感じもあった」
この言葉を体現したのが、帝京長岡のエース・工藤壱朗だった。
「グラウンド整備の前後ではもう一度ギアを上げて、3人で抑えることを意識した」

6回にギアを上げて長岡打線を三者凡退で抑えると、7回表。6番・木戸の中前打を皮切りに4安打を集中させて3得点。
8回、9回にも追加点を奪い、7-3で勝利。3年前のリベンジを果たした。

■勝利のウラに先輩からの助言「自分と仲間を信じれば絶対大丈夫」
工藤にとって、3年前の試合は入学前だったが、大会前に映像で見返してこの試合に臨んだと明かした。
「3年前の長岡高校戦の録画を見て、こういう負け方もあるんだなと。(当時、出場していた先輩の)有馬さんから『そういうこともあるけど、自分と仲間を信じれば絶対大丈夫』という話を受けた。それを経験している先輩たちから話を聞けたのは良かったと思う。きょうも負けている展開があったが、3年前のように大量失点さえしなければ最終的に勝てる、というチームの意識の徹底ができていたので良かったと思う」

■「大会中に成長していくことを意識」鬼門突破でさらなる“進化”へ
春のセンバツでは、制球難から崩れてしまい、力を出し切れなかった工藤。
春の県大会はベンチに入らず、トレーニングに専念。パワーアップして夏の大会を迎えているが、この大会中にさらなる進化を遂げたいと意気込む。
「北信越大会で大会中に成長していくことが一番の収穫だと思ったので、この夏の県大会でも大会中に成長していくことを意識している。帰ってからできることもたくさんあると思うので、そこをしっかり意識しながら、一試合ずつ次の試合に向けて生活していきたい」
春夏連続の甲子園出場へ、鬼門を突破した初戦は大きな一歩となった。


