ゆったりと、しかし力強く水をかく。そのダイナミックな泳ぎで、今夏のインターハイを制した高校生スイマーがいる。鹿児島情報高校3年、姶良市出身の西小野友靖選手だ。8月のインターハイ男子100メートルバタフライで初優勝を飾り、決勝では52秒59の県新記録をマーク。9月に青森県で開催される国民スポーツ大会に向け、さらなる高みを目指している。
「価値のある優勝」―インターハイ制覇の意味
バタフライと自由形を得意とする西小野選手にとって、インターハイは特別な舞台だった。「高校では大きな大会の一つ。そこで優勝することは価値のあることだと思っていた」と本人が語るように、その勝利には強い意志が込められていた。

優勝の背景にあるのは、身体的な恵みだ。一般的に両腕を広げた長さは身長とほぼ同じとされるが、身長172センチの西小野選手のウィングスパンはなんと187センチ。この長い腕を活かした大きなストロークが、推進力の源となっている。さらに、上下動が小さく水の抵抗を最小限に抑える泳ぎも大きな武器だ。中学生のころから指導する富重洋平コーチは「ひとかきがすごく大きい。ひとかきで進んでいる距離とスピードがたけている」とその強みを評する。

3歳から水と生きてきた―兄の背中を追って
水泳を始めたのは3歳のときだった。「兄が水泳をやっていて一緒に連れて行かれた。気づいたら水の中にいた」と笑う。4人兄妹の三男として育った西小野選手にとって、最も大きな存在が一番上の兄・西小野皓大選手だ。背泳ぎを専門とし、日本代表として世界大会にも出場する兄の姿が、弟を高みへと引き上げてきた。「今まで水泳やってきた中で一番大きな存在。兄がいなければ間違いなくここまで速くなることはできていない」―その言葉に、兄への深い敬意がにじむ。

そして今回のインターハイ優勝は、その兄でさえ成し遂げられなかった快挙でもある。
国民スポーツ大会へ―自由形で表彰台を狙う
9月の国民スポーツ大会では、得意の自由形に出場する。取材当日も50メートルを約30分間繰り返し泳ぐなど、実践を意識したスピード強化に黙々と取り組んでいた。「自分の力を精一杯出し切って表彰台を目指して頑張りたい」と力強く語る表情には、インターハイ覇者としての自信と責任感がにじんでいた。
国民スポーツ大会の水泳競技は、会期前競技として9月11日から青森県で始まる。姶良が生んだ高校生スイマーが、次の舞台でも新たな歴史を刻もうとしている。
【動画で見る▶インターハイ100mバタフライ優勝 鹿児島情報3年・西小野友靖選手 国スポへ意気込み】

