宮崎県・宮崎空港に隣接する「航空大学校」。エアライン・パイロットを養成する学校で、1000人を超える受験者から合格者は108人と、10倍を超える狭き門となっている。今回は、航空大学校・宮崎本校で学ぶ学生の1日を追いかけた。(前編)

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航空大学校のキャンパスは宮崎・帯広・仙台の3ヵ所にあり、入学した学生は、まず宮崎で座学を受け、飛行機を飛ばすために必要な知識を身につける。その後、帯広→宮崎→仙台の順に場所を転々とし、フライトトレーニングを積み重ねていく。

宮崎市にある航空大学校は、今から71年前、当時の運輸省が設立した日本唯一の公的なエアライン・パイロット養成機関だ。

現在 宮崎キャンパスでは、2025年の2月末に入学した座学生とフライト課程の学生合わせて79人が学んでいる。今回は、フライト課程の学生の1日を覗いてみた。

午前6時 朝食前からフライト準備

午前中にフライト訓練を控えた学生たちは、早い人で朝食の前から準備に取り掛かる。天気図を見てフライトの際に注意するポイントに色を塗っていく。

午前6時45分 朝食

航空大学校は全寮制。学生たちは学校の敷地内にある寮で共同生活をしている。

午前7時10分 フライト準備

学生たちが次々と教室に入ってきた。フライト訓練は3、4人ずつの班に分かれて行う。

こちらは小川教官班。

張龍也さん(幼稚園生から志す):
飛行機のスピード感がかっこいいなと思う。

渡部樹さん(高2で初飛行機、感銘受ける):
目の前をエアライン機が通ったときは、ここにいて良かったなといつも思う。

椎原稜太さん(小5で憧れの機長に出会う):
自分が疲れているときこそ気を配れるようなパイロットになりたい。

このうち、野島光夏さんは、同期で唯一の女性だ。

野島光夏さん:
元々、父が飛行機や船が好きだったというのもあって、地元の航空祭などに参加していて、飛行機とかには興味があったので。

野島さんは防衛大学校に進学後、パイロットたちと触れ合い、人柄に憧れ、パイロットを志した。

ブリーフィングの前には、飛行経路の確認や天気図からフライトの時間帯の天気を予測するなど、準備を入念に行う。この日の行先は佐賀空港だ。

午前8時 教官とのブリーフィング

張龍也さん:
こちらは9時のエマグラムの予想になりますが、5000フィートから6000フィート帯で沈降性の逆転層が見られるということで、もし視程が悪くて何も見えないというような状況ですと、8500フィートに上がれば、視程は確保できると考えています。

小川泰司教官:
視程が悪くて、自分だけのナビゲーションに集中していると、きょういっぱいナビゲーション機がいるだろ、選択する高度が同じくらいになる、他機がいる場合、どっちに避けるのか、それとも自分たちが先行するのか…必ず自分で考えて決心して行動するというのをやってくれ。

後編ではいよいよフライト訓練が始まる。

(テレビ宮崎

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