気温が高くなるこの時期に注意が必要な、食品の取り扱い。福井県は、県内で食中毒が多発しているとして9日に食中毒多発注意報を発令しました。 現時点ですでに去年1年間の発生件数を上回り、患者数は去年の約2倍となっています。県内の今年の食中毒にはどのような傾向がみられるのか、予防策と合わせて取材しました。
県内では6月下旬から7月初めにかけて、飲食店で相次いで2件食中毒が発生しました。
県はこれを受け、15日以内に2件以上の発生で出す「食中毒多発注意報」を3年ぶりに発令しました。
年ごとの食中毒の発生件数は、コロナ禍だった6年前頃は感染対策を厳重にしていたこともあり少なかったものの、その後は増加傾向に転じました。
そして今年は、7月13日までに12件と、去年1年間に発生した11件をすでに上回っています。患者数も125人と、すでに去年の2.5倍となっています。
原因として最も多いのがノロウイルスで、次いでカンピロバクターが多くなっています。
県健康福祉部健康医療局医薬食品・衛生課の五十嵐映子主任は「今年の食中毒の傾向、ノロウイルスやウエルシュ菌による食中毒が発生している。この食中毒は1件あたりの患者数が多いのが特徴なので、今年は患者数が多い」とします。
ノロウイルスは感染力が非常に強く、汚染された食品を摂取したり、感染した人と接触したりすると感染し、嘔吐や下痢、腹痛を引き起こします。
今年の患者のうち、約6割がノロウイルスによるものです。
五十嵐主任は「ノロウイルスについてはコロナ禍で少なかった時期に免疫を持っていない人が増え、その影響で増えているのではないか」と分析します。
食中毒の3大原則は「つけない」「増やさない」「やっつける」。例えば弁当を作る際の注意点は次のようになっています。
▼菌をつけない―手洗いをしっかりして調理器具は清潔に。おにぎりを握る際はラップや使い捨て手袋を使いましょう。▼菌を増やさない―弁当におかずを詰める際はしっかりと冷ましてから。菌は水分で繁殖するため煮汁やゆで汁はしっかりと切り水気をふき取りましょう。▼菌をやっつける―おかずは中心部までしっかりと火を通し特に肉や卵は火が完全に通るまで加熱しましょう。
改めて、年ごとの食中毒の発生件数を見てみると、コロナ禍で基本的な感染対策をしっかりしていた時は数も少ないですが、2023年は新型コロナが5類に移行された年。感染対策も緩んだとみられ食中毒も一気に増えています。
逆に言えば、手洗いなどの基本を徹底することが食中毒予防につながります。作る人、食べる人、それぞれが意識することが大切です。
