7月9日に開幕した夏の高校野球・新潟大会。熱戦のスタートを告げる開幕戦の始球式に特別な思いを持ってマウンドに上がった一人の選手がいる。創部128年の長岡高校で初めて女子で主将を務める楳田晴さんだ。日本高野連の規定で試合には出場できない楳田さんのこの夏、最後の一球に密着した。
長岡高校率いる“女子”主将「ルール覆したい思いが…」
「みんなのことをアシストすることが役割なので、声でしっかりチームを引っ張っていく」
大会が始まる約2週間前の練習でこう話していたのは、長岡高校の主将を務める女子選手・楳田晴さんだ。
小学4年生のときに野球を始め、中学3年になると女子中学生野球の県選抜入り、1番ショートとしてチームの主軸を担った楳田さん。
日本高野連の規定で女子選手は試合に出場できないことを知っていたが、「ルールをなんとかして覆したい思いがあったので…」と女子野球部のある高校ではなく、古豪・長岡高校野球部の門を叩いた。

しかし、楳田さんの思いは届かず、公式戦への出場はできなかった。
憧れのマウンドへ!2年3カ月“集大成”の投球は「100点」
それでも2年3カ月にわたって努力を続けてきた楳田さんに特別な舞台が用意された。それが、今大会の開幕戦での始球式だ。

仲間とともに練習を積んで迎えた本番。
「フィールドの中に立たせてもらえることがありがたいので、感謝の気持ちでいっぱい」と笑顔を見せた楳田さん。

スタンドから声援を受け、憧れのハードオフエコスタジアムのマウンドに立った。
「気にしないようにしていたけど声援がいただけたのでそれも力に変えて投げようと思った」

2年3カ月の集大成…。落ち着いた表情で右腕から投じたボールは見事なストライクだった。
「ストライクピッチングができたので、ひと安心。良いボールが投げられたので100点」

マウンドから見た景色は最高だったと振り返り「そこで戦う選手たちは自信を持ってプレーしてほしい」と球児たちにエールも送った。
記録員としてベンチへ「目標の甲子園に行き勝ちたい」
大役を務め、安堵した表情を見せる楳田さんだが、今大会は記録員としてベンチに入り、選手とともに戦う。

「長岡高校が目標としている甲子園に行って、そこで勝つことを達成したい」
楳田さんの投球から始まった2026年夏の新潟大会。再びエコスタのマウンドに立つのは、選手とともに優勝の輪をつくる時だ。

