神戸市は、市立医療センター西市民病院で、胃がんの摘出手術を受けた70代の男性患者について、手術後の転移などを確認するフォローのために2024年に実施した画像検査で、右の肺の上部にあった「小結節(影やしこり)のフォローが必要」とする所見を見落とす医療事故があったと発表しました。
男性患者は2026年に肺がんと診断され、その際にはすでに骨に転移し、手術による根治が困難な状態まで進行していたということです。
■胃がんの摘出手術受け、肺の「影」など指摘されるも…
神戸市によると、市内に住む70歳代の男性患者は、2019年5月、消化器外科で胃がんの摘出手術を受けました。
その後、術後の定期的な術後の画像検査によるフォローを受けていたところ、2024年4月の画像検査の際、画像診断レポートに「右肺尖(みぎはいせん)の小結節※に対するフォローが必要」という所見が記載されました。
しかし病院側がこのレポートを見落とし、終診としたということです。
男性患者は2025年12月、右肩の痛みを精査する目的で整形外科を受診し、2026年1月に画像検査を行ったところ、肺の同一部位に異常影が認められたものの、右肩関節周囲炎と診断して他院へ紹介されました。
(※)右肺尖の小結節:右の肺の一番上(肺尖部)に見つかった、主に直径1cm未満の小さな粒状の影やしこりのこと
■肺がんと診断された際にすでに骨に転移など
さらに2026年5月になって、他院において右の肺の上部に影があることが認められ、総合内科を受診した際、肺がんと診断され、読影レポートなどの見落としが発覚しました。
診断時、がんはすでに骨に転移し、手術による根治が困難な状態まで進行していたということです。
発覚後病院側は、肋骨などにがんが浸潤したことによる痛みの緩和を目的とした放射線治療を優先して実施し、QOLの維持に努めるとともに、さらに、病理検査の結果を踏まえ、免疫チェックポイント阻害剤を含めた抗がん剤治療を6月から開始していると発表しています。
