富山地方鉄道の赤字区間をめぐり、滑川市が市民5000人を対象に行ったアンケートの結果が公表された。路線の必要性については約7割が「必要」と回答した一方、維持のための財政負担については「すべきでない」が51%と過半数を占める、複雑な民意が明らかになった。

7割が「必要」でも、財政負担には過半数が反対
滑川市が先月実施したアンケートには、無作為に選ばれた市民5000人のうち2195人が回答した。

まず利用状況を確認すると、「週1日以上」と答えたのはわずか3.2%。「年に数回」が23.0%、「利用していない」が70.4%という結果だった。多くの市民にとって、富山地方鉄道は日常的な移動手段にはなっていない実態が浮かび上がる。

それでも、滑川駅から東の路線(あいの風とやま鉄道と並行する「滑川・新魚津」間を含む)が「必要」と答えた市民は68.2%にのぼった。「必要でない」の31.8%を大きく上回り、路線そのものへの支持は根強い。

ところが、この区間の維持に「行政が財政負担すべきか」と問うと、結果は逆転する。「負担すべき」が49.1%、「負担すべきでない」が50.9%と、わずかながら反対が多数を占めた。「必要だとは思うが、税金を投入してまでは……」という市民の複雑な心境が、数字に表れた格好だ。
「残すことだけが目的ではない」 水野市長が示す視点


この結果を受け、水野達夫市長は「市民の総意ではないが、ある程度の市民の思いが反映されている」と述べた。「負担すべきでない」という回答の背景については、「滑川市に地鉄を残すだけの便益があるのかどうか、市民のある程度の本音が見えている」と分析する。
水野市長はさらに踏み込んだ視点を示している。「鉄道を残すことだけが目的ではない。最終的には住民の移動をどうしていくか。鉄道だけでない公共交通として"鉄路と道路のベストミックス"を考えるべき」だというのが市長の立場だ。
今月の会合で民意を提示へ

富山地方鉄道の鉄道線「再構築」をめぐっては、県や沿線自治体が協議を続けている。水野市長は、今月にも開かれる県・沿線自治体との会合でこのアンケート結果を示す方針だ。
また県に対しては、地鉄本線が県全体に与える社会的な便益を算出したうえで、各市町村が税金を投入して維持すべき経済的正当性があるかどうかを「慎重に議論してほしい」と要望している。
(富山テレビ放送)

