福岡市の高島宗一郎市長(51)は7月8日の会見で、16年前に初めて市長選に出馬した際に、“ある議員”から5000万円を要求された事実を認めた。

「選挙後に請求が来たら怖い…」

「事実です。書いてあるとおり、明確にそれは断ったということです」。

高島市長は、2018年に発行された著書『福岡市を経営する』のなかで、2010年の市長選初出馬が決まった直後に、当時、知らない議員から呼び出され「選挙活動費」や「5000万円を自分が配る」、また「家売ってこいなどと言われた」と金銭を要求されたと記している。

この日の会見では、この本に対して記者からの質問が集中した。

福岡市長記者会見(7月8日・福岡市役所)
福岡市長記者会見(7月8日・福岡市役所)
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記者) ある議員”とは誰なのか。福岡県内の議員か。

高島宗一郎市長(以下、高島) “ある議員”ということ。当時、金銭の要求があった後に、私はそうしたことに与するぐらいであれば、自分が政治家に出る必要がない、と。そんなものに頼らなくても自分の力で当選もできるし、その後の政治家としての活動もしっかりできる、若くてもできるということを証明したいというつもりで自分は立ち上がった、と。ですから、私はそうした話があったときも明確に断ったわけです。ただ、当時はやっぱり不安でいっぱいの35歳でしたから、もし選挙が終わった後にまた請求が来たら怖いと思ったので、明確に断ったところを残しておかなければということで録音しました。

高島宗一郎・福岡市長
高島宗一郎・福岡市長

記者) 議員の立場の人間が、公職を金銭で買う話が出ていることについてはどう思うか。

高島) 今の福岡県の事態については、真偽が今、まさに争われているところでしょうから、それ自体の話は避けますが、当時、自分自身が体験したこととして、そういう人もいたことは驚きですし、それが本当に福岡だけなのか、もちろん選挙で活動するには確かにお金も必要なので、それが、どこからまでが選挙に必要な活動費なのかという判断は、今でも明確に線を引くのはなかなか難しい。本当に必要経費だったかもしれないが、これから政治を目指す若い人が増えてほしいと思っているし、こういうニュースを見ていると本当に政治の世界で頑張りたいと思う人が躊躇してしまうことになってしまう。

「現時点で録音データは残っていない」

記者) 「自己防衛のために録音した」と本にはあるが、録音を公表する考えはあるか。

高島) 私が録音したのは、当時16年前の選挙の直後に「終わった後にまた要求されたらどうしよう」というのが怖くて仕方なくて、明確に断ったシーンを録音しておこうと思ったわけです。私が明確に断った後にはそのような要求もなかったですし、それで自分としては録音メモ自体が必要なくなったので、現時点でそのデータはありません。

福岡市長記者会見(7月8日・福岡市役所)
福岡市長記者会見(7月8日・福岡市役所)

記者) 当時、市長は自民党から支援を受け出馬しが、そうすると要求は自民党の議員からあったのか。

高島) 本に書いてあることが全てで、それ以上でもそれ以下でもありません。

記者) 当時「5000万円」のやり取りがあった場所や状況、同席者などはどうか。

高島) 本に書いたこと以上でも以下でもありません。私はそうしたことに「関わっていない」ということを書いているわけです。お金を払ったこともなければ、もらったこともないと。それでも(さまざまなチャレンジが)できたということを書いているわけです。

「福岡の印象が悪くなるニュースは悔しい」

記者) 今後、捜査機関から協力を求められた場合はどうするか。

高島) そもそもあの本は「私が否定した」という話であって、渡したわけでも、もらったわけでもないという内容なので、聞かれるようなことはないと思います。

高島宗一郎・福岡市長
高島宗一郎・福岡市長

記者) これ以上この問題については公の場で明らかにする気はないのか。

高島) 明らかにする必要があればそうするが、書いているのは16年前の私の選挙のときに自分が体験した話です。自分はそもそもそうしたものに与しなかったという側で書いているわけであって、それ以上、実態がどうなのかという詳しいことは分かりません。

「私は、ゴルフはしません」

記者) 本には、相手の議員が「お金をもらわなくても動く議員などいるわけないだろう」と発言したとあるが、こういう風潮は福岡県内だけのものと考えるか。

高島) 他の全国の状況を知っているわけではないので、ただ自分が体験したことを書きました。「政治って何かそんなところがありそう」というイメージ自体は、皆さん持っていると思うんですよ。かといって、そういう人がいたかというと、明確に断りを入れれば、それ以上、別に何かあったわけではないので、しっかりそういうものに対しては「ノー」を言っていくということも大事だし、もし他でも同じようなことがあっても、しっかり断れば当選もできるし、その後の活躍でそれがマイナスになることも自分はなかったので勇気を持ってほしいと思います。

高島宗一郎・福岡市長
高島宗一郎・福岡市長

記者) 福岡県議会を巡る問題で、2人の県議の証言の信憑性については、どう思うか。

高島) 顔を出して、実名で具体的な話をするというのは、相当に勇気が必要だと思います。現段階では双方、言い分が違うので、コメントは控えます。いずれにしてもこうしたニュースが福岡にとって、例えば副首都の話も含めて大事な時期で、福岡の明るいニュースをどんどん全国に向けて発信するという気概でやってきているなか、福岡の印象が非常に悪くなるニュースが流れているというのは、悔しいし残念に思います。

記者) 証言した県議は「議長ポストは1000万円、副議長ポストは500万円」という噂を耳にしたというが、何か聞いたことはあるか。

高島) 全然ないです。県、市、区とか、村とか「だんだん活動範囲が狭くなれば活動額が少なくて済むのではないか」という一般的な想像はできますが、そのようなことは聞いたことはなかった。たまたま自分が経験したことを書いたまでです。いわんや議長、副議長のポストがいくらかは聞いたこともないですし、そこまでしてなりたいポストなのかも私は理解ができないので、分からないです。

高島宗一郎・福岡市長
高島宗一郎・福岡市長

記者) 県議会では根回しのために他の会派を含めたゴルフ会もあったようだが―。

高島) そもそもゴルフなどもしませんし、例えば根回しゴルフ会的なものは一度も参加したことはありません。

(テレビ西日本)

テレビ西日本
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