クレジットカード決済代行会社の大型倒産が波紋を広げている。負債総額は約1259億円に上り、2026年最大規模の倒産となった。突然のサービス停止により、全国の加盟店ではクレジットカードが使えなくなるなど影響が拡大。さらに、未入金の売上金の回収が困難になる恐れもあり、事業者から不安の声が上がっている。
「現金のみ」に困惑…決済代行大手が破産
負債総額、約1259億円。
2026年最大規模の倒産となったのは、クレジットカードの決済代行会社だった。
8日、東京都内の商店街を歩くと、早くもその影響が見られた。

多くの店の入り口付近に手書きなどの貼り紙がされ、「クレジットカードが使えない」「支払いは現金で」などと記されていたのだ。
街の人からは、「焦りますね。基本はクレジットカードなので」「私は“クレカ派”なのでダメです。まずいですね」といった声が聞かれた。

全国の飲食店などと契約し、クレジットカードの決済代行を手がけていた全東信が破産手続きの開始決定を受けたことが判明。
その影響が全国の飲食店に広がり、7日夜、東京・渋谷の創作居酒屋「バルミチ」では会計の際、現金を慎重に数えながら支払う男性の姿があった。

現金でのやり取りは久しぶりだったといい、「1カ月ぶりくらいです。レアというか。『久しぶりだな』みたいな感じはありますね」と話していた。

全東信と契約していたこの店では、6日から、レジに設置されたクレジットカード端末の画面に「エラー」と表示されるようになり、そのため、会計は現金のみとなっていた。
来店客からは「現金きょう持って来てなくて、困っちゃいました。いま友達が(現金を)下ろしに行っています。大迷惑です」といった声も聞かれた。
突然の事態に、客だけでなく店のオーナーも困惑を隠せない。

バルミチ・木村信悟オーナー:
急にきのうの6日からクレジットが使えなくなって。最近クレジット多いので、8割カード、2割現金。

これまで全東信は、客がクレジットカード決済で会計した場合、カード会社があとで店に支払う売上金を立て替え、店が通常より早く代金を受け取れるようにするサービスで手数料収入を得ていた。

ところが、全東信の破産により、まだ入金されていない売上金の回収が困難になる恐れがあるという。
バルミチ・木村信悟オーナー:
次が15日締め日で20日に入る。金額で言うと3桁近いかな。(Q. 100万円弱?)そうですね、なってきますね。

全東信の加盟店は、2018年時点で約20万店。
中には、グループの7店舗で、合わせて数百万円が未入金というところもあった。

バルカンパニー 事業部長・山崎昇さん:
7月1日から7月5日までの合計5日間分。本当にちょっと数百万の額だと思うんですけれども。私飲食ずっとやってますけど、初めてのことで一番大変びっくり。
“違法契約問題”が経営悪化の引き金か
支払いのキャッシュレス化が進む中、街でお財布に入っている現金の額を聞いてみると、「4000円。ご飯ってなったらクレカきっちゃう」「私は9000円」「今日5000円入ってました、すごく入ってる方」「現金持ってるが、支払いカードが多い」など、手持ちは数千円だけという人も多い結果となった。

キャッシュレス決済の利用者が増える中、なぜ全東信は、負債総額約1259億円という、2026年最大規模の倒産となってしまったのか。

フードジャーナリストの山路力也さんは「2024年に全東信の違法契約の問題というのがあった。それにより会社自体の信用が失われてしまった」と指摘する。

全東信は2年前、いわゆる“ぼったくり行為”などで摘発された飲食店に決済端末を違法に設置したなどの疑いで、元社員らが逮捕される事件が発生。
その後は信用不安などから資金繰りが悪化していたという。

フードジャーナリスト・山路力也さん:
全東信の倒産で、今業界にはかなりの激震が走っている。飲食店の場合、薄利多売でやっているので死活問題だと思う。
(「イット!」7月8日放送より)

