仙台市内で、リチウムイオン電池製品による火災が増えている。2025年は1年間の発生件数が16件だったのに対し、2026年は7月1日時点ですでに14件に達しており、仙台市消防局は気温が上がる夏場にリスクが高まるとして、注意を呼びかけている。身近なモバイルバッテリーやハンディーファンに潜む危険性と、万が一の際の対処法、そして正しい廃棄方法について聞いた。
車のダッシュボード上で発火

2026年5月、仙台市青葉区八幡の駐車場で、車の中に置かれていたモバイルバッテリーから火が出て、消防が消火にあたる火事が発生した。この日の仙台市の気温は28度まで上がっており、ダッシュボードの上に置かれていたモバイルバッテリーが放射熱によって発火した可能性があるという。
モバイルバッテリーをはじめ、スマートフォンやワイヤレスイヤホンなど、私たちの生活に欠かせない多くの機器にリチウムイオン電池が内蔵されている。便利な反面、強い衝撃や圧力が加わったり、車の中などの高温の場所に放置されたりすることで、炎を噴き出して発火する恐れがあるのだ。
年々厳しさを増す夏に出番が増えるハンディーファンも、同様の危険性が潜んでいる。
「大丈夫だろう」は禁物 落下のリスクと発火時の対応
スマートフォンやハンディーファンをうっかり落としてしまうことは日常的に起こり得る。しかし、その衝撃が思わぬ火災事故を引き起こすかもしれない。
仙台市消防局予防課 三輪剛消防司令補:
高い位置から落下させてしまったり強い圧力や衝撃を加えてしまった場合は発火のリスクが大幅に高まります。そういった場合は「大丈夫だろう」と思わずに買い替えを検討していただければ。
落としたり強い圧力を加えたりした製品は、見た目に変化がなくても内部がダメージを受けている可能性がある。使っていて異常を感じた場合は、直ちに使用を中止することが重要だ。
万が一、煙や火が出てしまった場合はどのように対応すべきだろうか。
仙台市消防局予防課 三輪剛消防司令補:
発火した場合は距離を取ってもらいたい。火の勢いが意外と強いというところもありますし、有毒ガスが含まれるという状態もありますので、まずは距離をとってもらい、直ちに119番通報を。
安全な距離をしっかりと確保した上で、水を大量にかけたり、バケツなどに水没させたりするのが有効な消火方法だという。
ごみ収集車の焼損も 地域社会に影響を及ぼす誤った処分
火災のリスクは使用中や保管中だけにとどまらない。不要になったリチウムイオン電池製品の処分方法にも注意が必要である。
仙台市消防局予防課 三輪剛消防司令補:
ごみ収集車の中にリチウムイオン電池が可燃物のゴミとして出されてしまっていて、ごみ収集車の中で圧力や衝撃が加わったことで発火し、ごみ収集車が焼損したという事例も何度か発生しております。
誤って可燃ごみとして捨ててしまうと、ごみ収集車内で押しつぶされた際に発火し、ごみ収集車自体が焼損したり、付近に引火したりする火事につながりかねない。
こうした事態を防ぐため、仙台市では不要になったリチウムイオン電池製品の適切な処分方法を定めている。不要になった製品は、缶・ビン・ペットボトルの収集日に、黄色の回収箱に入れるよう呼びかけられている。
夏は気温が上がり、ハンディーファンなどの利用機会がさらに増える。熱中症対策を行うとともに、車内など高温の場所への放置を避け、強い衝撃を与えないよう、リチウムイオン電池製品の取り扱いには十分な注意が必要だ。

