土石流災害では、シンボル的な存在だった建物があります。店舗兼住宅を所有していた男性はこの5年間の復興の進み具合をどう感じているのか聞きました。
5年経った伊豆山の被災地を2026年6月訪れた男性。
高橋幸雄さん、71歳です。
復興の現状について・・・。
高橋幸雄さん(2026年6月):
(復興が)進んでいない。工事が。大丈夫かなと
見つめる先には父が始めた酒店と、家族6人で暮らした「店舗兼住宅」がありました。
加藤洋司 記者(2022年6月):
まもなく災害の発生から1年を迎える伊豆山の被災地に、いま響くのは建物を解体する音です
被災地の中央付近に位置し、赤色の外観が目を引いていた4階建ての建物、丸越酒店です。
高橋さんは、酒店を引き継ぐ一方、2003年から市議会議員を5期務めました。
自ら被災者であり、地域の声を届ける代表者でもあります。
議会で一日も早い復旧復興を求め、自分の家の解体、土地の提供を伝えました。
被災者・市議(2021年9月・当時)
高橋幸雄さん:
川幅も広く取れる、道幅も広く取れる。親と一緒に建てた家ですが、つらいですが、町のためにやむをえないと思って
地域の未来のため力を尽くしたいと、復興計画を検討する委員会の委員長として、住民の代表・有識者と議論を重ねました。
東日本大震災の被災地のように、建物を遺構とする案もありました。
被災者・市議(2022年6月・当時)
高橋幸雄さん:
皆さん「残してよ」とか言いますが、実質は無理ですよ。復旧復興するには、やっぱり邪魔になる
川幅を広げて、両側に道路を造り国道につなげようという当初の計画。
土地収用が完了せず、2026年4月、市は道路建設の計画変更を発表しました。
土地は一部を売却、大半を市に寄付しましたが、道路建設は進みませんでした。
高橋幸雄さん(2026年6月):
待っている人の気持ちが沈んでしまう。もうここで家を建てて頑張ろうという気になれなくなってしまう
市議を引退した高橋さんは、いま伊豆山観光協会の会長として、地元関係者と地域の将来について話し合いの場を持っています。
海と山、豊かな自然の恵みのある伊豆山。
古くからの伝統文化も受け継いでいます。
そしていま、新たなイベント、地域おこしにも力を入れていこうとしています。
高橋幸雄さん(2026年6月):
地元の人はどうしても人がいなくなっているから、宿泊客が伊豆山を歩いてくれることを考えています
願うのは、ふるさとの早い再生です。
